【伝蔵荘日誌】

2012年6月5日: オウム信者と生活保護 T.G.

 昨夜からオウム信者の指名手配犯、菊池直子が捕まったとテレビが騒いでいる。 17年前、サリン製造に関わった23歳の爆弾娘も今は40歳だという。 もうすっかり中年のおばさんだ。 うら若かった娘の17年間の逃亡生活はどんなものだったのだろう。 裏街道を逃げ回る殺伐とした日々だったのだろうか。 逃亡初期は指名手配の男の信者と潜伏したと言うし、逮捕時も別の男と同居していたと言うから、少なくとも男には事欠かなかったのだろう。

 少し前に捕まったもう一人のオウム指名手配犯、平田容疑者も、楚々とした中年女性と同棲していた。 どちらも旅行も外出もままならない閉ざされた日々。 先の見えない絶望感や寂しさを、狭いアパートの布団の中の、夜ごとの肉欲で紛らわしていたと想像するに難くない。 そうだとすると、彼らの動物的生命力には感心せざるを得ない。 今時の“彼女もいない、結婚もしない草食系男女”は彼らを大いに見倣うべきだろう。 そうすれば少子化も少しは改善されるだろう。

 もう一つ感心する(と言うのも変な話だが)のは彼らの逞しい生活能力だ。 逃亡時に教団から千万円渡されたと言うが、そんなものはあっという間に底をつく。 彼女が捕まったとき、介護資格2級を持ち、介護士で生計を立てていたらしい。 どうやって資格を取ったのだろう。 平田の場合も、同棲していた女がパート勤めなどで生活を支えていたと言う。 裏街道を逃げ隠れする彼らには、職を得るために身分を証明する住民票も運転免許証もない。 ましてや戸籍謄本なんて作れるわけがない。 それでも表街道で職を得て、立派に(これも変か?)暮らしを立てている。 そう言えば、以前イギリス人英会話教師を殺害して逃げ廻った市川某も、土木工事会社に雇われて生計を立てていた。 高い金を払って整形手術を受けていたと言うから、そこそこの収入があったのだろう。 この3人の生き様を見て分かるのは、今の日本では五体満足な成人男女がその気になれば、いくらでも職が見つかり、生きていけると言うことだ。

 河本とか言う吉本興業の芸人が、高い年収がありながら、親や親族に生活保護を受けさせ、今までに計1億円近い生活保護費を受け取っていたことが社会問題になっている。 親親族と言ってもそれほどの歳ではない。 一時は身体を壊していたと言うが、今は治っているし、テレビで見れば足腰が立たないほどではない。 その気になれば充分働けるし、河本の収入なら充分養える。 批判を受けた親族は、「役所が認めたものをもらって何が悪い」と逆ねじを食わせたと言う。 これは権利だと威張っていると言う。 端から働く気などないのだ。 働かずにのうのうと飯が食えるのだから、こんなおいしい話はない。  いくら高収入があっても河本某は親の面倒を見る気がない。 少し前の日本人なら恥ずかしいと思っていたことが、彼らには平気なのだ。

 3年前に民主党が政権を取ってから、生活保護費の受給条件が大幅に緩和された。 それまでは原則65歳以上の働けない老人と、貧乏な子育て中の母子家庭に限られていたが、やれ格差社会がどうのと騒ぎ立て、職が見つからないと言うだけの理由で、五体満足な20代30代の若者まで貰えるようになった。 働く気のない若者や中年が大威張りで貰うようになった。 それもあって河本某のような不届き極まるケースが激増している。 月に一度の支給日は、区役所近くのパチンコ屋が盛況になると言う。 そうこうしているうちに、昨年度の生活保護費は3.5兆円に膨れあがった。 ほぼ国防費に匹敵する金額だ。 15年度には5兆円を越える見込みだという。 消費税1%で2兆円。 5%上げてもあらかた生活保護に消える計算だ。 馬鹿馬鹿しくて税金を納める気がしなくなる。

 今の日本、その気になれば働いて生活できることは、オウムの菊池や平田や、リンゼイ事件の市川某が証明している。 彼らは身分を隠さねばならぬ致命的ハンディを負いながら、ちゃんと職を得て、男や女を作って、整形手術までして暮らせていた。 歩いてパチンコ屋に行ける体力があれば、仕事などいくらでも見つかるのだ。 やる気がないだけだ。 働かなくても暮らせるから怠けているだけなのだ。

 今回の河本某のケースの反省で、さしもの友愛民主党政権にも生活保護受給条件見直しの動きがあると言う。 課題は、20〜50代の働けるのに働かない怠け者排除と、受給条件である三親等以内の親族の扶養能力確認だ。 今の生活保護法では、受給者に対し「三親等以内の親族に扶養能力がないことの証明」を義務化していない。 役所にも調査権限がない。 誰も面倒見てくれませんと言えば通る。 河本某のケースがそれだ。 働く能力に至っては、仕事が見つかりませんと言うだけで通る。 どれだけ職探しに苦労したかは問われない。 それが真っ赤な嘘だと言うことは、繰り返すがオウムの連中が証明している。 仕事などその気になればいくらも見つかる。 今の日本、少子化ゆえの労働力不足が大問題なのだ。 選り好みさえしなければ仕事はいくらもある。 指名手配犯は生活保護を貰えない。 どうしようもなければ働かざるを得ないし、働けば生きていけることは、何度も言うがオームが証明している。 国が安易に生活保護を与えるから、怠け者が働かなくなる。

 民主党が出そうとしている受給条件見直し案にも、案の定、朝日新聞など“弱者に優しい”リベラル派から反対が出ている。 「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」と言う日本国憲法第25条に触れるからだという。 しかしながら中学校の社会科の時間に習ったように、憲法はすべての国民に教育、勤労、納税の三大義務も課している。 権利より、働けるものは働いて税金を納める義務が先に立つのだ。 生活保護は、どうやっても働けなくなったお気の毒な人のセーフティネットなのだ。 生活保護を受ける権利があるのは、働きたくとも働けないお年寄りや身体障害者と、離婚して子育て中の若いお母さんだけなのだ。 それ以外は働いて自力で生活するのが国民として当然の義務なのだ。 その当たり前のことが出来ていない。 河本某もそうらしいが、在日朝鮮人の受給率は日本人の5倍だという。 在日の人たちが特に老齢化しているとか、身体障害者が多いわけではない。 同和と同じように、生活保護が既得権益化しているのだろう。

 アーこんなふやけたことをやっていると、日本国はどんどん駄目になりそうだな。 消費税なんかいくら取っても焼け石に水だな。 ザルから水がこぼれるだけだな。 やっぱり憲法改正しなけりゃ何をやっても駄目だな。 ヘタレ日本は治らないな。 こんな事を書くとまた右翼と言われそうだな。 この程度で右翼なんて言われるようでは、日本はお終いだな。  

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