【伝蔵荘日誌】

2010年7月24日: 猛暑の夏 T.G.

 猛暑が続いている。 今年は例年になく梅雨明けがはっきりしていて、16日以来の日記には毎日「晴れ、暑し」の記述が繰り返されている。 このところ天候不順で、梅雨が明けずに夏が来た年もあった。 梅雨明け十日と言うが、絵に描いたような梅雨明けとその後の猛暑はいかにも日本の夏らしい。 さぞ今年は米の出来がいいだろう。 この暑さで各地で熱中症の死者が出ていると言う。 エアコンなどなかった子供の頃は、聞かなかった病名だ。 日本人の体力(耐力)が落ちているのだろうか。

 先週末、息子一家が泊まりがけで遊びに来た。 翌週の海の日、息子と嫁が出勤で、保育園が休みなので、二人の孫を預かった。 その翌日の早朝、一歳半の下の孫が朝から元気がないので保育園に行けないとお嫁から電話があって、朝一番に家人と車で引き取りに行った。 はじめのうち元気がなかったが、冷茶やジュースを飲ませていたら、いつものヤンチャ坊主に戻った。 どうやら暑さで脱水症状を起こしていたようだ。 それやこれやで、丸4日間、孫の世話で忙殺された。 孫を世話していると、他のことは何も出来ない。 家人共々疲労困憊。 ぐったりした。 家人は自分の息子を育てていたときはこんなに大変ではなかったという。 お互い歳をとったと言うことだろう。

 暑さのせいか、世の中さしたる出来事もない。 テレビのワイドショーのような参院選が終わったあと、菅も小沢もハトヤマも、政治家どもはどいつもこいつも引きこもりになっていて、ニュースにもならない。 小沢に至ってはあちこち雲隠れを繰り返している。 どうやら裏で彼一流の画策をしているようだが、もう彼は過去の政治家だ。 どうあがいても表舞台には立てないし、立たせるべきではない。 立たせたら日本がおかしくなる。 日本人もそれほど馬鹿ではなかろう。 そう信じたい。

 引きこもりと言えば、今日のGooニュースに「引きこもり70万人、予備軍155万人」という記事が載っていた。 内閣府の調査で、「「普段は家にいるが、自分の趣味に関する用事の時だけ外出する」「近所のコンビニなどには出かける」「自室からは出るが、家からは出ない」「自室からほとんど出ない」状態が6か月以上続いているのが引きこもりで、全国に約70万人、それに近い予備軍が155万人もいるのだという。 働き盛りの20代、30代に多い。 40代もいるそうだ。 どうして彼らがこんな生活が出来るのかと言えば、いい年をした息子や娘を親が甘やかして食わせているからだ。 一昔前なら、働かない大人は乞食になるしかなかった。 

 話は違うが、最近は“乞食”は差別用語で、新聞雑誌では使わない。 テレビでも禁止されている。 “女中”も同様だ。 ホームレスとかお手伝いさんと言うべきなのだそうだ。 でも変だよね。 ホームレスと乞食とどこがどう違うのさ。 女中とお手伝いさんは何が違うのよ。 こういうおかしな風潮で、「河原乞食」とか、「そこなお女中…」などと言う蘊蓄のある風雅な物言いがなくなった。 黄門様が「そこなお手伝いさん…」では、時代劇にならんだろう。

 高校生の頃、テレビに出てきた女たらしの歌舞伎役者を見て、「河原乞食のくせに」と悪態を付いたら、「職業に貴賤はありません!」と母親にこっぴどく叱られた。 江戸時代、河原でゴザを敷いて春を売る女のことを河原乞食と言った。 赤線もソープランドもなかった時代のことです。 そのころの歌舞伎役者は半分水商売で、浮気性の大店のご内儀などを相手に春をひさいだりしたので、その蔑称に使われたのだ。 母親は可愛い息子がそんな下卑た物言いをするので、さぞ慌てたのだろうが、昔は高校生でもそのくらいのことは知っていた。 歌舞伎役者と相撲取りは、昔から水商売だったのです。 やくざがタニマチだったのです。 相撲界と暴力団との関係が騒がれているが、あれは昔からの伝統です。 昔は相撲取りのことを男芸者と言ってね、やくざの宴席に呼ばれたりした。 多分今でもそうなのだろう。 長谷川伸の「一本刀土俵入り」なんかを見ればよく分かる。 そんなものを国技などと言うからおかしくなる。

 それはさておき、引きこもりは今の日本の大問題だ。 親が黙って食わせているから、さしあたり表には出ないが、経済損失だけ考えても深刻な話である。 引きこもりはもとより、予備軍だってほとんどまともな経済活動はしていないだろう。 自ら生計を立てていないだろう。 彼らを食わせるのに平均年100万円かかるとして、本来稼ぎ出すべき収入を300万円として、その差400万円。 70+155万人を掛け算するとおよそ9兆円。 日本国としては莫大な限界利益の喪失である。 彼らがちゃんと働けば、とりあえず消費税は要らないし、年金も社会福祉もどうにかなりそうだ。 カン君も消費税などとつまらんこと言っていないで、こういう連中の尻をひっぱたくことでも考えたらどうだ。 この男、国会議員になる前は正業に就いたことがない。 若い頃は市民運動家とか称して、半分ニートだったそうだから、言っても無駄か。

 そうこうしているうちに、元北朝鮮工作員の女が特別機で鳴り物入りでやってきて、軽井沢の別荘でフランス料理食べたり、遊覧ヘリに乗ったりして帰って行った。 日本国政府がさせたのだから、この女に責任があるわけではない。 でもね、今はしおらしい顔をしているが、日本の旅券偽造して日本人になりすまし、115人も爆殺した凶悪犯だよ。 そのうちの30人は日本人なんだよ。 そういう極悪犯罪人を、お咎めもなくへらへら入国させて、取り調べもせず、ご馳走までして帰すのは、なんかおかしいよね。 日本はいつから法治国ではなくなったの。 情報を取るなら、他に方法はいくらもあるだろう。 わざわざ日本の法律曲げなくても出来るだろう。 そもそも23年も北朝鮮に帰っていない元工作員が、大した情報を持っているとも思えん。

  議員宿舎をラブホテル代わりに使ってひんしゅくを買った、あの女好きの中井とか言う拉致問題担当大臣は、いったい何を考えているんだか。 女好きが高じたのか。 落選したのに図々しく居座っている千葉とか言う法務大臣は、職務放棄で見て見ぬふり。 もともと社会党の北朝鮮大好き人間だし、拉致はでっち上げとか言っていたし、死刑反対だし、確信犯に違いない。 職権濫用の“超法規的措置”で、カンやハトヤマにサービスしたのだろう。 こんな女が法務大臣とは、もう泣けてくる。 まったくろくでもない連中だ。

   そういえば一昔前、ダッカ日航機ハイジャック事件ってのがあったな。 あの時も「人命は地球より重い」なんて女学生まがいの迷言を吐いて、殺人鬼の赤軍派を牢から出して、5億円も追銭を持たせて世界中にばらまいた、福田とか言うおかしな総理大臣がいた。 ばらまかれたごく潰しどもは、その後テルアビブ空港などあちこちで悪さをし、人を殺しまくり、世界中のひんしゅくを買った。 あのときの殺し文句もやはり“超法規的措置”だった。 日本は本当に法治国家なのだろうか。 「女スパイ入国」などと、イギリスの新聞に嘲笑されたと言うが、どうも今の日本は背骨がしっかりしていない。 グニャグニャして、骨なしナマコのようだ。 みっともないったらありゃしない。 左翼友愛民主党政権になってからは尚更だ。 これほど超法規的措置を濫用するなら、ぜひ憲法9条にも適用してもらいたいものだ。 ねえ、カン総理殿。

 それにしても暑い。 さて今日の夕食の献立は何にするか。 冷酒に冷や奴とか茄子のしぎ焼きとか、涼しいものがいいな。        

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