【伝蔵荘日誌】

2009年10月25日: 絶望!民主党の経済政策にも。 T.G.

 久し振りに以前の仕事仲間と会って新橋で飲んだ。 自然と話が今の民主政治に及ぶと、少し年配のKさんが「民主党の経済政策には絶望した。 もう日本は駄目だな」と慨嘆する。 まったく同感である。 KさんはM重工業のOBである。 前の日誌に、「経済の失政は借金が増えるだけだが、安全保障政策の失敗は国を滅ぼす」などと呑気なことを書いたが、そんなことは言っておれなくなった。 今の民主のやりようでは、安保失策以前に経済で国が立ち行かなくなる。

 民主党のママゴト遊びのような経済運営には、民主ヨイショの朝日新聞でさえ懸念を示し始めた。 今朝のasahi.comに「日本株低迷 鳩山政権の戦略見えず、経済界とも距離」という記事を載せている。 子供手当などばらまきに走り、肝心の金融経済活性化につながる戦略を一向に示せないことへの懸念である。 経済が活性化し企業業績が上がらなければ、雇用も増えず、税収も上がらない。 株価は下がり、日本経済はさらに悪化する。 至極当たり前の論理である。 それなのに民主ご自慢のマニフェストには経済活性化対策は何も書かれていない。 ただただばらまきと企業活動を悪と見なすような締め付け策ばかりだ。 亀井金融担当大臣のモラトリアム法案など、気でも狂ったとしか思えない。

 最近鳩山政権が鳴り物入りで打ち出した雇用対策なるものを見て唖然とした。 失業保険や生活保護の受付窓口をハローワークに一元化するのだという。 アホも休み休み言え! そんなものが雇用対策であるわけないだろう。 雇用対策の基本中の基本は働き口を作ること。 そのためには経済を活性化し、企業業績を上げるのが王道だ。 それしかない。 福祉の金をばらまくのが雇用対策などであるわけがない。 それなのにこの政権がやろうとする経済対策は、最低賃金を千円に上げるとか、CO225%削減で環境保護税を取るとか、銀行に借金返済を猶予させるとか、企業や銀行が元気を無くすことばかりだ。 民主党リベラル左派の馬鹿どもはよほど銀行や大企業がお嫌いらしい。

 ママゴト遊びの最たるものは来年度予算編成である。 どうやらこの党の頭の悪い政治家達は足し算しかできず、引き算と言う概念はないらしい。 麻生政権末期にほぼ出来上がっていた来年度概算要求をこれ見よがしに差し戻して、新たに要求をやり直させた。 そうしたら、前より大きい95兆円にも膨れあがった。 当たり前だろう。 役人どもが前の要求を悪うございましたと引っ込めるわけがない。 そのままの数字に、民主ご自慢の子供手当や農家個別保証など、ばらまき予算を大威張りで足し算しただけのことだ。 概算要求はいくら頑張っても民主党には作れない。 役人に任せるしかないのだから、こうなることは端から分かっていた。 自民党の概算要求の作らせ方もおかしかったが、少なくともシーリングで限度額を押さえていた。 何の縛りもなくそれを取り外したのだからもう青天井、役人のやりたい放題である。 政治主導が聞いてあきれる。 ハトヤマは何とかこれを3兆円削減したいなどとほざいているが、それでも92兆円。 削減額がひと桁違うだろう。  評判の悪かった自民予算だって89兆円で押さえているのに、それを3兆円も越えている。 今年度は不景気で税収が6兆円下がる見込みだと言うから、新たにプラマイ9兆円の財源が必要になる。 どうやら赤字国債発行額が50兆円を超える。  小泉時代の30兆円が懐かしい。  こんな馬鹿なことを続けていたら、民主政権の4年間で国家債務は千兆円を超えるだろう。 景気が1、2年で劇的に改善しない限り、日本経済は沈没するだろう。 さあどうする、どうする!

 さすがにこれはまずいと、政府の行政刷新会議で予算の無駄を洗い出す「事業仕分けチーム」が発足した。 、実際の作業は財務省主計局との共同作業になる上、大幅な削減を想定していた公共事業などは限られており、効果は疑問視されている。 さらに翌日になって、チームの人選に待ったがかかり、活動は事実上頓挫している。 どうやら枝野幸男議員が主導権を取ろうとしたことが、枝野嫌いの小沢幹事長の逆鱗に触れたらしい。 民主党きっての論客、かつ政策通の枝野氏が、大臣はおろか何の役職にも就けないのは、小沢闇将軍の差し金である。 彼の師匠の田中角栄が、意のままにならない政敵の中川一郎を恫喝して、自殺にまで追いつめた経緯を思い出す。 その時の角栄のセリフ、「元気がいいのはいいが、池から飛び出したら日干しになるぞ」はいまだに語りぐさだ。 その26年後、何の因果か息子の昭一も自殺した。
 枝野、頑張れ! オレは買ってるぞ! 中川みたいにいびり殺されるな!

 小沢という男はヤクザまがいの恫喝のテクニックは角栄譲りだが、師匠と違って日本の国益や将来のことなど念頭にない。 その時々の政局をいじくり廻すことだけが生き甲斐の政治家だ。 その証拠に、何年経っても自らの政見、政策を世に問おうとしない。 100人を超えるオザワチルドレンを従え、恫喝と金任せ、力任せで院政を敷く。 お花畑ハトヤマ総理と理念なき闇将軍オザワ幹事長。 こういうおかしな政権に311議席も持たせるとは、日本人の不幸の始まりだ。

 今朝の2チャンネルを見ていたら、面白い書き込みがあった。 1989年当時の国債発行残高はゼロだったのに、その20年後800兆円にも積み上げた首謀者は、アメリカのご用聞きで公共事業の垂れ流しをやった“当時のオザワ幹事長”だったという趣旨である。 石原発言などを引っ張り出して多少乱暴ではあるが、論拠も示していてなかなか説得力がある。 2チャンネルの投稿者にはなかなか勉強家がいて、時に興味深い書き込みがある。

★「公共投資本計画」(当初430兆円・改訂後630兆円)のばらまきをしたのは誰?  有名な『小沢の1993年の「日本改造計画」』である。
■[報道ステーション 2009/07/24]  「日本改造計画」。小沢一郎の著作。  小沢一郎が竹下政権での官房副長官時代に、秘書官を務めた『官僚が、この本の執筆に助言した』。 民主党政権を見据え、『その官僚が、財務省の人事で永田町との政策調整を担う総括審議官になった』。

■多分これが一番解りやすい。
どうして、日本の借金がここまで増えたのかな?教えてください。 - Yahoo!知恵袋
 http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1128132091

 ついでだ
Yahoo!みんなの政治 - 公共投資基本計画
 http://seiji.yahoo.co.jp/guide/yougo/koukyou/6.html

 トドメはこれだ
石原知事記者会見録(平成18年11月10日)|東京都
 http://www.metro.tokyo.jp/GOVERNOR/KAIKEN/TEXT/2006/061110.htm
 例えば湾岸戦争の時ね、ブレディ(ニコラス・ブレディ 米国財務長官(当時))の一喝でね、幾ら金払った。130億ドルだよ。2回に分けて。  それからその後ね、やっちゃいけない構造協議をバイラテラルに(2国間で)やったのは小沢じゃないか、  金丸(金丸信 元衆議院議員、元自由民主党副総裁)の下で。  それでその後、さらにだね、8年間で400兆、実は430兆無駄遣い約束してやったじゃないですか。  訳の分からない公共事業で、国力、使い果たしたんだ(※)。  ※1990年の日米構造協議で合意された日本側改善事項の中に 「公共投資の増額(10年間で430兆円)による貯蓄・投資バランスの改善」があった。

小沢総理なんてまっぴらゴメンだ〜石原慎太郎[WILL 2007年9月号]
 http://www.h2.dion.ne.jp/~apo.2012/bookstand-magazine025.html
    

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