【伝蔵荘日誌】

2009年8月10日: 茶毒蛾にやられた! T.G.

 伝蔵荘の周りに熊笹がはびこり、むさ苦しいので刈ることにした。 若い頃は草刈り鎌で人力で刈っていたが、この歳になるとチトつらい。 臼田のカインズホームで草刈り機を購入して刈ることにした。 やってみると調子がいい。 小一時間で小屋の周囲を刈り終えた。 さっぱりして気持ちがいい。

 刈り終えてシャワーを浴びた後、腕のあちこちがが痒い。 腕まくりしていたので虫にでも刺されたのだろう。 両腕のあちこちにぶつぶつが出来ている。 かゆみ止めに市販のウナコーワを塗るが痒みは一向に治まらない。 いつものように蚊かブヨにでも食われたかとそのままにしておいた。 痒くて仕方がないので、我慢出来ず四六時中無意識にぼりぼり掻く。 家人に掻くのはやめた方がいいと言われるが、我慢出来ない。 そうこうしているうちに1週間経った。 痒みは依然として治まらず、それどころか炎症とぶつぶつが腕中に広がってしまった。 家人は、そんな症状は蚊などではな茶毒蛾だから、医者に行かなければ治らないと言う。 虫に食われたぐらいで医者に行けるかとそのままにしておいた。 山での虫さされはいつも長引くから、こんなものだろうと多可をくくってもいた。

 先週初めに会社の同期の連中と伝蔵荘に泊まり、ゴルフをやった。 すでに1週間以上経っている。 依然として痒みと腫れは治まらない。 ゴルフをやっている最中も痒くて仕方がない。 ティーショットやパッティングの時、痒くてアドレスに集中出来ない。 ゴルフはもともと上手い方ではないが、それ以上にショットが乱れてどうにもならない。 同期会ゴルフはチームのベストショットを選ぶスクランブル方式ゲームなので、自分のスコアは分からないが、個人プレイなら120近く叩いたのではないか。 クラブハウスで風呂にはいると痒みがさらに猛烈になる。 我慢出来ず湯につけた腕を手のひらで擦ってしまう。 後で医者に聞いた話ではこれが一番悪いらしい。 なんとか三泊四日のゴルフを終えて帰途についたが、ハンドルを握る腕に目をやると、日焼けした腕に炎症が広がり、ぱんぱんに腫れ上がって自分の腕とは思えない。 さすがにこれはただ事ではないと、友人のO君を駅まで送った後、近くの医者に駆け込んだ。 運悪く土曜日の午後で休診、ほかの病院も閉まっている。 やむなくさらに二日間我慢する羽目になった。 ここまで来るとさすがにただの虫さされと甘く見たのが間違いだったと、反省しきりである。

 明けて今日月曜日、朝食もそこそこに近くの皮膚科医院に駆け込んだ。 医者が言うには、虫さされは掻いてはいけない。 掻いて痒みが止まるわけではなく、症状を悪化させるだけ、とのこと。 茶毒蛾の場合、幼虫の毛虫が放出する毛針に毒があり、炎症を引き起こす。 掻きむしると0.01ミリの毒毛針が毒を持ったまま砕片化し、それがあちこちに広がって手がつけられなくなる。 掻かずに我慢して、冷水で刺さった毒毛針を根気よく洗い流すしかない。 何もしないうちにガムテープなどを皮膚に当てて毛針を除去するのも効果がある。 血行が良くなると痒みが強まるから、風呂や飲酒、唐辛子など刺激物もなるべく避けた方がいい、と言う。 言われてみると悪いことばかりしていたわけだ。

 医者に処方された薬は、クラリチン、グリチロン、デルモゾール軟膏の3種類。 グーグルで調べると、クラリチンはアレルギー疾患治療の内服薬。 いわゆるかゆみ止めである。 茶毒蛾を含めて、虫刺されによって起きる腫れ、痒みは異物が引き起こすアレルギーなのだそうだ。 グリチロンは肝臓機能、湿疹、皮膚炎などの改善薬。 肝臓機能が弱まっていると症状が強く出ると言う。 そう言えば医者はしばらく酒を控えた方がいいと言っていた。 今夜は禁酒か。 デルモゾール軟膏は副腎皮質ホルモンのステロイド剤。 湿疹、皮膚炎の特効薬である。 きわめてよく効くが、副作用がきついので常用してはいけない。 痒みが止まったらやめるようにと医者に言われた。 帰宅してさっそく塗布、服用する。 3時間後これを書いているが、すでに炎症と痒みが治まりかけている。 こんなことなら早く医者にかかるんだった。           

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