【伝蔵荘日誌】

2009年6月3日: 温暖化どころかミニ氷河期だって、 T.G.

 今朝の朝日新聞によれば、最近太陽の活動が弱まって、200年ぶりの低水準になっているそうだ。 その影響で寒冷化が進み、ミニ氷河期に入る可能性が大きいという。 太陽活動の指標は黒点の数で、多いほど活発なのだと言う。 11年周期で増えたり減ったりする。 昨年も低水準だったが、今年の4月の数値は過去200年間で最も少なかった1810年の数値を下回っているという。 太陽活動には数百年周期の変動も知られていて、17〜18世紀には約70年間、黒点がほぼ消え、欧州では英国のテムズ川が凍るなど「ミニ氷河期」に陥ったと言う。 東京大宇宙線研究所の宮原ひろ子特任助教によれば、歴史的にはそろそろ次の極小期に入ってもおかしくない時期なのだそうだ。  そうなると東京も隅田川が凍ったりするのか。 もしそうだとすると、やれ温暖化対策だエコだと世界中が大騒ぎしてるのはいったい何なのか!

 元アメリカ副大統領ゴアがインチキな映画「不都合な真実」でCO2による地球温暖化を喧伝したら、これが見事に嵌って世界中がエコ信者になってしまった。 もはや地球規模の催眠術状態で、いくら温暖化とCO2増加の因果関係に疑問を投げかけても誰も耳を貸さない。 貸さないどころか、愚か者扱いである。 このインチキなプロパガンダに対し、科学者を含め多方面から疑問や批判が巻き起こったが、もはや流れは止められない。 それどころか欧米の悪賢い連中が京都議定書を逆手にとって「排出権取引」などという詐欺まがいの悪徳商法を考え出した。 最大の被害者はお人好し日本である。 エコ優等生の日本が、劣等生の中国やアメリカにしこたま排出権を買わされる。 巻き上げられる金額は年間数百億円。 日本の政治家や外務省はアホか!

 だいたい気温が少しぐらい上がったところで、南極の氷が融けるわけがない。 零度以下では氷は融けない。 南極の平均気温はマイナス10度以下。 仮に平均気温が2〜3度上がったとしても融けることはない。 むしろ温暖化で降水量が増えれば、南極の降水は雨ではなく雪だから氷は増える。 温暖化で南極の氷が溶けて太平洋の小島が沈むというのは真っ赤な嘘である。

 南極と違って北極の氷は海に浮いている。 全部溶けても海面は上昇などしない。 嘘だと思うならコップに水と氷を入れて確かめてみたらいい。 アルキメデスの原理と言ってね。 小学生でも分かる理屈です。 

 氷河の後退は化石燃料の大量消費が始まった19世紀末より200年も前、17世紀から始まっている。 スイスの観光地ツェルマットへ行ったことがあるが、中世のツェルマットは氷河の下だったそうだ。 18世紀の終わりには氷河が後退し、今のツェルマット村が出来ていたそうだ。 石油石炭を大量に燃やすようになる、ずっと前の話である。 「不都合な真実」では、氷河の末端が崩れ落ちる映像を繰り返して危機を煽るが、昔からどこの氷河の末端も常に崩壊している。 今に始まったことではない。

 五月号の文藝春秋で、アラスカ、フェアバンクス大学地球物理学研究所長の赤祖父俊一博士と桜井よしこ氏が対談している。 赤祖父氏によると、地球物理学的にはCO2排出量増加と温暖化はまったく関係ないのだという。 観測データによれば、CO2排出量が急増し始めたのは第二次大戦後の1946年頃からだが、気温の上昇はそれとは無関係に120年も前から一定の割合で続いているのだと言う。 また、2000年にはその上昇も止まり、その後は低下傾向にあるという。 CO2排出が進んでいるにもかかわらずだ。 赤祖父博士によれば、温暖化の原因はCO2ではなく自然現象なのだという。 氷河の後退も地域的なばらつきがあり、アラスカのマッキンリー山では氷河が1日に3mも前進している。 海水面上昇も1850年頃から年1.7ミリのペースで上昇してきたが、今は止まっている。 従って太平洋の小島ツバルがこれ以上沈むことはない。 博士によると、京都議定書の根拠になったCO2による温暖化は誤りだ、排出権取引はまったくの無駄金だと、いくら日本の政治家やお役人に言っても誰も耳を貸してくれないのだそうだ。 世も末である。

 CO2はともかくとして、温暖化は必ずしも悪いことではない。 むしろ人類にとって寒冷化よりはるかに良い。 温暖化が進めば、全地球的に耕作可能面積も作物収量も人間の居住可能面積も増える。 衣食住に関する生存条件が緩和される。 そう言う意見が農業学者の間にもある。 ゴアのようなインチキおじさんに騙されず、太陽の活動が弱まってミニ氷河期になることの心配をした方が良さそうだ。 日本のような非亜熱帯地域では米が採れなくなる。     

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