【伝蔵荘日誌】

2008年7月12日: ホームページ作成 T.G.

 このホームページを作ってから4年が経つ。 伝蔵荘の管理とヒマラヤトレッキングで溜まった写真や山行記録を載せて仲間内で回覧することが当初の目的だったが、その基本はおおむね変わっていない。 ホームページは情報の新しさが命である。 いつまでたっても同じ内容では、見飽きて誰も見てくれなくなる。 出来れば毎日新しい情報をアップデートするのが理想だが、言うは易く成し難い。 個人HPの泣き所は情報の少なさである。 友人達のブログを見てもその苦労がしのばれる。 普通の生活者の毎日に、いちいち書き記すようなエポックがそうたくさんあるわけでない。 必然子供の絵日記のようになるか、誰も読まない古本のようになる。

 4年前、伝蔵荘HPの作成を思いついて近くの書店へ作成マニュアルを買いに行った。 これでも昔はプログラマの草分けである。  おおよその見当はついていたが、今頃のパソコンソフトについてはほとんど素人だ。 書棚に並んだ分厚いマニュアル本を立ち読みしていたら、気が重くなってきた。 「誰でも簡単にHPが作れます」と惹句のついた本の数ページ読んだだけで頭が痛くなってくる。 あんな分かりづらいややこしい文章を誰が理解出来るというのだろうか。 書いた本人すら分かっていないと思えるほどだ。  コンピュータのマニュアルは昔から悪文の見本だったが、今も変わっていない。 昔のプログラマが音を上げるのだから、相当なものである。

 探しているうちに、比較的大きな活字で読みやすい記述の本を見つけた。 X-Media社の「超図解、HTMLで作るホームページ入門」である。 普通のHP作成マニュアルはほとんどが作成ツールの使用法で、HTMLで1からプログラミングする趣旨の本は少ない。 HTMLというのは、インターネットの初期にヨーロッパの原子力研究者達が研究成果や実験データなどを情報交換するために開発した一種の文書記述言語である。 最初のうちは論文やデータを記述することだけが目的の簡単なものだったが、Webの商業利用が増えるに連れ文法が拡大されて、複雑かつ大規模になった。 今では数百ページも及ぶ辞書並みのボリュームである。 そうなるとアマチュアでは手に負えなくなって、HPビルダーのようなプロが開発したホームページ作成ツールに頼るようになった。 今ではプロは別として、当方のようなアマチュアHP作成者のほとんどがHTML言語を知らないのではないか。

 この「超図解、HP作成入門」はホームページ作成上、必要最小限のことしか書いてない。 HTML文法にしても、最低限必要な数十種類のタグの説明があるだけだ。 しかし伝蔵荘HP程度のものを作るにはこれで十分である。 もともとの使用目的が、図表や写真入りの研究論文を記述するためだけなのだから、これで必要十分なのだ。 そういうわけで、伝蔵荘HPはツール類をいっさい使わず、すべて一からHTMLで記述してある。 今はやりの洒落たデザインのブログなどと違い、飾り付けは一切無い。 いわば初期のホームページの原型なのである。 巷に溢れるHPのように、やたら装飾や特殊な仕掛け盛り込まれていないので、見場はよくないが、いっそスッキリして読みやすい。 そう言ってくれる読者もいる。 慣れないうちはアップデート作業に手間取ったが、、4年経った今はマニュアル無しに自由自在に出来る。 いまから簡単なHPを立ち上げようと考えている人にはぜひお奨めする。

 HTMLは比較的単純な文章記述言語だから、限定された文法範囲内ならこの本1冊で誰でも使いこなせる。出来映えの見本は伝蔵荘HPである。 HTMLで記述することは簡単なプログラミング作業でもあるから、老化防止、頭の体操にもってこいだ。 プログラミング言語にはコンパイラが必要だが、インターネット・エクスプローラなどブラウザがそれを兼ねているからほかに特別なソフトやツールは要らない。 この本さえあれば今日からでもはじめられる。

 そうは言ってもなにも装飾がないと淋しいので、先日プロバイダーがサービスしてくれるアクセスカウンターをつけた。 今日現在で983人のアクセスがある。 伝蔵荘メンバーは10人しかいないから、メンバー以外の読者の方が多いのだろう。 同じく書き込み掲示板のサービスもあるが、無責任ないたずら書きに悩まされると聞いて作っていない。 スタイルシートというさらに進んだテクニックを用いると、もっと多彩でデコラティブなホームページになると言う。 もうしばらくしたら頭の体操を兼ねて挑戦してみるか。

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