【伝蔵荘日誌】

2008年2月4日: 中国産冷凍餃子騒動 T.G.

 1月30日に発覚した中国産冷凍餃子騒動がいまだに収まらない。 新聞やテレビは連日このニュースで持ちきりである。 重体を含め、数百人が中毒症状で病院に運ばれたというのだから穏やかでない。 専門家と称する連中の揣摩憶測が飛び交っているが、原因は永久に究明出来ないだろう。 状況証拠的に見て製造工場を含め中国国内に原因があることはほぼ間違いないが、それを証明出来る証拠は絶対に見つからない。 日本であれば、警察が強制捜査に踏みきり、その状況がマスコミを通じて公表されるが、中国ではあり得ない。 かの国は三権分立の先進国と違い一党独裁制国家である。 司法も警察も、ましてやジャーナリズムも独立していない。 公安当局の捜査やマスコミ発表は国の都合で恣意的になされる。 それが証拠に、中国政府は発覚翌日、「工場を調べたが、何ら問題はなかった。 中国側が原因であることはあり得ない。」と堂々と“公式発表”した。 これほどの事件がたった1日で捜査完了するわけがない。 調べもせず、中国には責任はありませんよと、早々と宣言したわけだ。 今後どんな証拠が見つかろうと、この公式発表は永久にひっくり返ることはないだろう。 人民解放軍の戦車がデモ隊をひき殺している映像が世界中に流されているのに、天安門での虐殺などなかったと、今でも言い張る国なのだから。

 これも状況証拠、もしくは単なる心証に過ぎないが、中国の製造工場の関係者が何らかの目的で意図的にメタミドホスを混入させたと考えるのがいちばん筋道が通っている。 その場合、農薬濃度のばらつきなど、やり口の杜撰さから見ると、用意周到なテロではなく、単なる愉快犯と見るのが自然だろう。 日本人の自作自演だと乱暴なことを言う中国のマスコミもいるが、“日本の愉快犯”なら日本国内で入手が不可能なメタミドホスなど使うわけがない。

 元フィナンシャル・タイムスの北京支局長、ジェームズ・キング氏は80年代に中国山東大学に留学したことのある北京語に堪能なイギリス人ジャーナリストだが、著書、「中国が世界をメチャクチャにする」(草思社)の中でつぎのように書いている。

「あらかたの日本人は知らないことだが、中国語の出来るアメリカや英国の新聞記者が中国人と話しをすれば、必ず話題は日本の罵詈讒謗にもって行かれる。 日本人を小人、強盗の蔑称で呼び、日本を非難攻撃する凄まじさに外国人は辟易する。 何しろ相手は幼稚園の時から日本の悪逆非道を教え込まれ、育ってきたのだから、話すほどに激してきて、憎しみを滾らせる。 このような話しを何度となく聞かされる新聞記者は、この根深い憎悪を解消する努力を日本が怠れば、再び戦争にもなりかねないと心配する」
 江沢民時代の徹底した反日教育の成果と言えよう。

 13億の国民がおしなべてこうだとすると、今回の冷凍餃子以外にも、日中間にこの種のトラブルは今後ますます増えることだろう。 少なくとも日本人はそう心して自己防衛に努め、国家の安全を求めるべきである。 今回の問題のもっとも根本的な解決策は、中国産食材を食べないことである。 こんなことを言うと、必ず「食糧自給率が40%を切っている現状では不可能だ」と反発が出る。 だとすれば自給率を上げればいいではないか。 夢物語ではない。 日本を除く先進各国はおしなべて自給率が100%に近い。 フランスなど130%を越えている。 かの国に出来ることが日本に出来ない理由などない。 単に怠惰なだけである。 日本は国防も自力で出来ないが、食糧安保もあなた任せなのだ。 それでは国を危うくするだろう。 共稼ぎの子育てに冷凍食品は欠かせないなどと戯けた言い訳をするが、少し前まで共稼ぎの奥さんは冷凍食品など使わず、子供のお弁当を作ったし、自分でキャベツを刻んで餃子を作った。 冷凍食品など無いから使いようがなかったのだ。 今の母親が怠惰なだけだ。 いや、母親だけでなく日本人全員が。   

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