【伝蔵荘日誌】

2005年2月11日: 蕗のとうの味噌和え  T.G.

 夕食前に庭先の蕗のとうを五つばかり摘んで味噌和えを作る。  米のとぎ汁で茹でてあくを取り、酒と味醂、砂糖を入れた甘味噌で和える。  これを肴に熱燗の奥の松で一杯やると、何とも言えないほろ苦さと春の香りが口いっぱいに広がる。 一年中で真っ先に春を感じる香りだ。 この春の味覚を後一月ぐらいは楽しめるだろう。

 数年前にカミさんが友人からもらった蕗の苗を庭角に植えた。 蕗は実に繁殖力の強い植物で、あっという間に地下茎がはびこり、今では南西角の3坪ほどが蕗の畑状態になっている。 初夏にかけて一面に葉が生い茂る。 時々太めのやつを切り取って料理に使う。 甘めのだし汁で煮しめにすると実にうまい。 毎年五月から7月終わり頃までほろ苦さと季節感を堪能している。

 晩秋には枯れてしまうが、冬も1月終わり頃になると地面のあちこちから蕗のとうが顔を出すようになる。 時々大きめのやつを摘んで今日のように酒の肴にするが、今では食べきれないほどの量である。 いくら採っても、後から後から出てくる。 八百屋に出荷できるほどだ。

 自然というのは有り難いものだ。

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