【伝蔵荘日誌】

2005年1月28日: 年賀状と郵政事業民営化  T.G.

 年明け、2、3の友人から年賀状が届かないと苦情を言われた。  宛先不明というスタンプが押され、返送されたという。 最近市町村合併で市名が変わり、新たに区名が追加された。 その影響である。 どういうアドレスを書いたのか聞くと、一人は旧市名を使い、他は新しく追加された区名を書き忘れている。 届いた年賀状の中には、その程度間違ったものは幾つもある。 スタンプが押されているところを見ると、こちらの郵便局までは届いていたに違いない。 おそらくアルバイトの配達人が面倒になったのだろう。 親しい友人だから分かったことだが、そうでなければ永久に原因不明になるところだ。 他にも配達不能で送り返されたものがたくさんあるに違いない。  重要なビジネスレターだったらと思うと憂鬱になる。

 しばらく前、今の総務省、当時の郵政省は巨額の予算を投じて郵便仕分け機を導入し、、鳴り物入りで郵便番号を5桁から7桁に変えた。 宛先が多少いい加減でも、極端な場合書いて無くても、7桁番号さえ書いてあれば日本中どこへでも配達するというのがうたい文句だった。 それがどうしたことか届かない。 いったい何のための7桁郵便番号なのか。あのうたい文句はどこへ消えてしまったのか。

 よく言われることだが、ヤマトの宅急便ならこういう馬鹿なことは起こりえない。 市名を間違えたと言っても、なにせ明治以来県庁所在地の著名な市名である。 アルバイトとはいえ、郵便配達人が分からないはずがない。 その上天下御免の7桁の番号もきちんと書いてある。 ここまで書いてあれば、今時のカーナビならピンポイントで自宅前まで案内してくれる。
 公社化したとは言え郵便局はまだまだ親方日の丸のお役所仕事なのだ。 自民党の守旧派はしかたがないとしても、革新政党まで郵政民営化に反対する。 その最大根拠はユニバーサルサービスである。 しかし東京近郊の大都市でこの体たらくなら田舎は推して知るべし。 ユニバーサルサービスなどとっくに破綻している。

 小泉首相の政策にはおかしなものが多々あるが、郵政事業民営化だけは大賛成だ。 年賀状が届かないぐらいは我慢するとしても、国民の大切な資産350兆円を、いつまでも親方日の丸のお役所仕事には任せておけない。 国が滅びる。

 

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