船外機 単気筒蒸気エンジン#5  その2

スクリュー部構成

パワーピストンをネジ止め

ボールベアリング

内径4mm 外径7mm

直径12mmパイプの両端にベアリング収容ブロックをはんだ付け

スクリュー支持棒

 78mm真鍮パイプの中に8mm銅パイプ4本を配置し、上下を銅板塞ぎ、ロウ付けする。 4本の銅パイプ内を燃焼熱が通り熱効率を高める役割をします。

ボイラー本体部

ボイラーの上下面の円板がはまり、ロウ付けしやすいように、パイプ内面を1mmほど削る

水注入/蒸気供給口

ボイラー本体の製作

 エンジンの出力に大きく影響を与える要素はボイラーです。 バーナーの火力が強いと、蒸気圧高くなり、エンジン性能は高まりますが水と燃料の消費量も多くなります。 バーナーは、火力を高める為にアルコールをスチールウールの毛細管現象で吸い上げ、熱で気化させたガスを燃焼させるとい方式をとっています。 ただし、燃料の消費を押える為、アルコールを吸い上げるパイプ径を5mmとこれまでより細くしました。 なお、炎が出るノズル部分は1mmの穴をあけた真鍮の蓋をパイプ上部にロウ付けしています。 

制御ヨークの支点

ハタガネで押さえておき、パワーシリンダーとバルブシリンダー等のはんだ付け作業をお行う  

図1 ボイラー本体主要部品
バルブシリンダー 

蒸気圧は0.18気圧しか出でません。

バーナーの力を上げる必要がありそうです。

1cmカクのブロックに、5mmのドリル穴をあけ、バルブシリンダー(5mm)となるパイプを挿入する  

 船外機をスタンドに取り付けた状態でエンジンのエアーテストを行なった結果では、0.5気圧では、回転シャフト(直径4mm)を指で抑えても止めることが出来ない程度、充分と思われるパワーを発揮しました。 こをごわ、0.7気圧まで圧力をあげてみましたが、回転は増加、まだ余裕があるようです。 今回のエンジンは、#4エンジンと同じスペックで作っているので、回転状況から判断しても、0.6気圧で回転数1500rpm、トルク270cm.g程度はでているものと予想されます。 

図11 スクリュー部構成

 プロペラ回転軸は傘歯車を使って方向を変えており、エンジン回転シャフトに直接、傘歯車(直径10mm、歯数1対1)をネジ止めしています。 スクリューの大きさは、エンジンのトルク、回転数と関連ありますが、とりあえず、直径35mmの市販プロペラを取り付けました。 また、歯車が水草等が絡んでエンジンが停止することを考慮して、円筒径のカバーを付けていますが、その効果のほどはわかりません。

燃焼状況

スチールウール

エンジン本体部の製作

回転シャフト

直径4mmステンレス棒

安全弁

ハタガネで固定

ボイラー部のカット

10 燃焼室とバーナの取り付け

ネジでバーナを止める

バーナとアルコールタンク

制御ヨーク

制御ヨークの支点

図8 エンジンヘッドの組立

給排気ブロック

シリンダー蓋

回転軸取り付け穴

ボイラー

下面

 ボイラーは簡易な煙管式です。 78mm真鍮パイプの中に8mmの銅パイプ4本を通し、上下を銅板でロウ付けしています。 4本のバーナーの炎が、この4本の煙管にかかるような位置に、燃焼室、バーナー、燃料タンクがボイラー側面にネジ止めされています。 また、エンジン本体の固定は、ボイラー上面に雌ネジをロウ付けし、シリンダーを固定しています。 ボイラー側面下部には、軸受け、船体への取り付け軸、スクリュー支持棒の取り付け板をロウ付けします。 舵取りは、この軸を中心に船外機全体が振れるしくみとなっています。 

図12 エンジン試運転状況

気圧計で蒸気圧力測定

シリコンチューブを挟むことで、蒸気量を調整

はんだ付け作業で、ドリル穴にはんだが流れ込んでいる為、再度ドリルを通す。この時、パワーシリンダーとバルブシリンダーにもドリル穴をあける。

軸受けを取り付ける支持ブロック

 エンジン取り付け面の水平を確保する為、フライス盤でカット

 ところが、実際にアルコールを燃焼させて蒸気圧をはかると0.5気圧に及ばず、0.18気圧しか出ず、回り方も充分とは言えない残念な結果となってしまいました。 エンジン本体の能力はあるので、ボイラー性能をなんとかしなくてはなりません。 とりあえず、連続運転時間(目標15分)は目をつむり、バーナーの能力アップをはかっていきます。 まずは、バーナーのパイプを太くし、アルコールの気化量を大きくすることを考えています。

製作結果

スクリュー 直径35mm

歯車カバー

1対1 傘歯車

船体への取り付け軸

ベアリングを収容

蒸気排気口

燃焼室をボイラーに取り付ける

バーナーの製作

炎は4cm程度

スチールウール

をパイプに詰める

バーナー

2.5mm銅パイプ

ノズル1mm穴

5mm銅パイプ

 図9にバーナーの様子を示しています。 火力はパイプに詰めるスチールウールの詰め具合で異なります。 ウールを詰めすぎても、空気の通りが悪くなり、炎は弱まり、少なすぎてもアルコールの気化量が減少する為、炎は弱くなる為、試行錯誤を繰り返す必要があるようです。 水とアルコールの消費量について実験では、水90ccとアルコール40ccで20分程度の連続運転をすることができました。 なお、タンクそのものは、食卓で使うステンレスの「こしょう入れ」を切断したものを利用しました。

T型クランク

コンロッド

T型クランク

制御ヨーク

蒸気調整バルブ

制御ヨーク

バルブピストンをネジ止め

図7 エンジンヘッドの組立

ドリルを通した後、ドリル穴をビスとパッキングで穴を塞ぐ

給排気パイプ

2.3mmドリル穴

給排気ブロックとバルブシリンダーブロックに、前もって2.3mmドリル穴をあける

シリンダーの丸みをはんだ付けする為、深さ1mm程度のミゾを彫る

排気のミゾ(裏側)

制御ヨーク支柱

バルブピストン

エンジンマウント

バルブシリンダ

スペーサ

 エンジン本体製作のポイントは、パワーシリンダーとバルブシリンダーを結ぶ蒸気の給排気パイプのつくりです。 ドリルであけた穴が給排気パイプとなっていますが、両シリンダーとの接続点から蒸気が漏れないこと、シリンダー内面にはんだが流れ込まないように作ることが求められます。 また、このエンジンでは、排気蒸気はバルブシリンダーの両端から排出されますが、エンジンとしては一つの排気口から出るようにしたい為、バルブシリダーを収容するバルブブロックにミゾを切り、排気蒸気を一箇所の排気口に導いています。
図5 フレームの構成

船体取り付け 8mmパイプ

スクリュー支持棒 

 直径6mm

軸受け

フライホイル 直径30mm

水注入/蒸気供給口
図4 軸受けの組立

軸受け組立後

ベアリング収容ブロック

ベアリングは、3方向からイモネジで固定

図3 ボイラーのロウ付け  
 8mmパイプで船体に取り付ける。 舵取りは、船外機そのものがこの軸を中心45度程度振れる。

船体への取り付け

水注入/蒸気供給口 ブッシング

エンジン取付け雌ネジ

安全弁ブッシング

回転軸支持板

エンジン取付け

雌ネジ

ボイラー側面

76mmパイプ

ボイラー

上面

蒸気溜め

船外機 蒸気エンジン#5 その1
図9 バーナー部構成

パワーピストン

図6 エンジンヘッド部品構成

パワーシリンダ

図2 ボイラー側面のカット

バーナの取り付け金具

安全弁

 

蒸気溜め

船体取り付け

煙管(8mmパイプ)

53mm 
排気パイプ
55mm
バーナー
ボイラー
36mm
パワーシリンダー
76mm 
150mm 
スクリュ−(直径35mm
図2 船外機 蒸気エンジン#5 外観図
160mm
134mm
調整バルブ
70mm
36mm
60mm
60mm
100mm
50mm
85mm