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Kampnagel
, Humburg

カンプナーゲル ラオコオン・サマーフェスティバル
【企画経緯と実施目的】
Laokoon Summer Festival2002 (Kampnagel,Hamburg) は、2002年度8月22日から9月8日にわたり開催されるが、現代の政治的、文化的、かつ芸術的動向の中で演劇祭はどのような理念を軸に企画されるべきか? Festivalの芸術監督、鴻英良を中心に検討を加えてきたが、メインテーマを「歴史と記憶ーーグローバリゼイションのもとでの演劇」としつつ、世界各地から10〜15の演劇集団を招聘しようと準備を進めてきた。
ベルギーのグルボフの「ルワンダ'94」やインドのザ・カンパニーの「キッチン・カタ」などの招聘の準備を進めているが、DA・Mの新作『トマトをたべるのをやめたとき』の上演には、90年代後半の日本の文化の中に露出してきた「錯乱する身体」とでも名づけるべきものが刻印されており、時代の動きに敏感に反応する表象としての演劇の特質が−とりわけ、即興という形式により−増幅されるということをわれわれに伝えていて、興味深く思えた。身体は歴史を記憶しつつ、現在を開示するものであるということを演劇は現実化していく。そのことを2001年の東京という場でよく実践しえている『トマト・・・』は日本文化の付置を「歴史と記憶」の文脈で明示的に示しうるものであり、Laokoon2002の上演作品に加えようと考えたのである.
 

 

【Kampnagelの活動の特徴】
1980年代かつてのクレーン工場の建物をオルタナティブ・アート・スペースとしてハンブルグ市が再開発をはじめ、徐々に先駆性のある芸術活動の拠点としてのアートセンターに成長していった空間で、ヨーロッパでも最大規模の前衛的な場所である。
ロバート・ウィルソンやアリアーヌ・ムヌーシュキン、ピーター・ブルックなどからロペール・ルパージュ、ローザス、ダムタイプまで、現実に具体的に応答しようとしてきた芸術家たちがここで上演している。とりわけ夏のフェスティバルは時代の動向とするどく呼応しあい現実を映し出すという芸術の特質を呼び起こすものとして実現されており、高く評価されている。

2001年11月28日
Laokoon Summer Festival 2002芸術監督 鴻英良

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 カンプナーゲル   ラオコオン・サマーフェスティバル

 
     
     
     
     
     
     
     

 

  ラオコオン・サマーフェスティバルについて