使用テキスト
　

･････怪物がいる　

海の底　

ぞっとするような機械類が姿を現した

彼女をじっと見ている

もう一度見る

同じである

S.I.ヴィトキェヴィッチ「幻覚剤ペイヨーテの効果に関する報告」より

私はそれらを見たのよ

私はそれらを見たわ

私はそれらを見たのよ

私はニュース映画を見たの

私はそれらを見たのよ

私はそれらを見たわ

私はニュース映画を見たの、

二日目に

犬が何匹か撮影されたわ　

永久に

私はそれらを見たのよ

最初の日の

二日目の

三日目の

ヒロシマの

Ｍ.デュラス 『ヒロシマ私の恋人』より

右、右、右、もっと右、

違う、違う、

左、左、左

左だって言ってんでしょうが

「Ｃｏｍｅ on This Way]

「アッ、アッ、アッ」

２００１．９．11のニュース映像より

･････12時20分前、傍にpolosatiye(稿模様の)一怪物がいる。

海の底。鮫。気泡。磯巾着。左側で海の怪物たちの戦い。

誰かの口。それ以前の、10時30分頃、ぞっとするような機械類が姿を現わした。

機械的に動く抽象的な被造物と占い杖と気筒とバッタ、そしてその戦い。

(奇怪な現象)。体を後にねじった蟻食いに棘のある蟻食い。

剛毛で覆われた醤歯動物。ボーレン大佐が帽子をかぶり、

黄色い光に照し出されて現われた。

ザヴァッカが誰かに媚びるようにウィンクをした。

12時10分、脈拍72。時問が、膨張してくる。

虹色に輝く宝石。インドの生きた彫刻(まずベルゼブッブの黄金の細密画から始まった。

型にはまった馬鹿面と動物との（混り合った）

悪魔的な変態が最後に巨大な蛇の群れになる。

そして、蛇の群れは合体して怪物になる。

そばで眠っている二ーナの顔が仮面に変わり、

彼女を凝っと見ている。彼女の眼が無気味に動く(実際には動かずに眠り続けている)。

もう一度見る同じである････怪物のような動く仮面。

麻薬が彫刻と建築のなかに様式を創造する。紋章入りの肘。

腕が蛇(黄色と青色)に変態し、蟹の目をした変色怪物に征服される。

茶色を背景とした緑色の蛇の世界。複数の世界。

グリューネヴァルトの祭壇とルカス・クラナハのような人物。

こうした怪物が腐乱した死体と混り合う。

眼のなかで腐った黒人が一条の閃光のように途中で消え失せた。

しばしば、そうしたものすべてが斜めになったままでいる。

熱帯における地球の断面図。

機械--タービンーー世界の中心と毛皮のブレーキ。･･････

S.I.ヴィトキェヴィッチ「幻覚剤ペイヨーテの効果に関する報告」より