my favorite things

my favorite things
新国立劇場のオペラ公演、リヒャルト・ワーグナーの「ローエングリン」に賛助出演しました。オーケストラは東京フィル。私の最も尊敬し大好きな指揮者、ペーター・シュナイダーさんが振るとあってはぜひとも演奏したい演目でした!2007年にシュナイダーさんの指揮で初めてリヒャルト・シュトラウスの「ばらの騎士」を演奏し、その素晴らしさにすっかり引き込まれてしまいました。指揮台にふわっと立ち、常に穏やかで脱力した華麗な指揮をみせてくださるシュナイダーさん。決して力任せにならず、気張らず、大げさにならず、でもしっかりオケの音や表情を引き出している・・シュナイダーさんの指揮はそんな感じなんです。日本ではそれほど有名ではありませんが、ヨーロッパのオペラ界ではその道の重鎮。派手に目立つ指揮者ばかりでなく、こんな素晴らしい指揮者にもっと注目していただきたいです。
そして今回の歌手のレベルの高さ!!主な歌い手は外人さんばかりですが、タイトルロールの白鳥の騎士ローエングリンを歌うテノールのクラウス・フロリアン・フォークトが、抜群の素晴らしさでした!柔らかく澄んでいてしかも強靭な強さも持ち合わせた声、そして明るいイメージのイケメン!公演時間5時間(!)ですが最後までその美声は衰え知らず!ごくごく簡単にあらすじを述べると、愛し合うローエングリンとエルザ、周りの策略を乗り越えめでたく結ばれるが、エルザが疑いを押さえきれずローエングリンの素性を聞いたばっかりに、ローエングリンは去ることになってしまう、というよくわからない「鶴の恩返し」のような話なんです。それはともかくとして、音楽はワーグナーのなかでも非常に解りやすく美しい!音楽の流れに身を任せていると、5時間がそんなに長い気がしないんです。新国立劇場のオペラ史上でも最も充実した公演のひとつだったと思います。余談ですが、初日本番中結構大きな地震があり、オケピットはかなりの揺れ、お客様も大きなどよめき、でもシュナイダーさんは淡々と動じることなくオペラを進めて行きました!
ローエングリン
2012年6月28日木曜日