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ミュンヘンのレンバッハハウス美術館所蔵、「カンディンスキーと青騎士展」を見に、三菱一号館美術館へ行ってきました。カンディンスキーの絵は、今までに数点の抽象画しか見た事がありませんでした。今回、カンディンスキーと伴侶であったガブリエーレ・ミュンターとの生活を通して彼らの芸術と歴史を知る事ができたのは、大変有意義で感動的な追体験でありました。「青騎士」というのは、ヴァシリー・カンディンスキーとフランツ・マルクが中心となって起こした、20世紀初頭におけるドイツの最重要な芸術革新運動の一派のことです。カンディンスキーの初期作品には、「えっ!これがカンディンスキーの絵?」と思うような風景画がいくつか見られます。しかしミュンターと共に過ごした「ムルナウ」で、具象から抽象へと向かう芸術的転換を迎えることになるのです。二人は自由で素描のようなタッチと輝く色彩で、町の眺めとムルナウの風景を描きました。そしてフォルムの単純化が進み色彩は一層強調されて、さらに其の芸術は精神的内面的なものへと向かうのです。写真左は「コンサート」。カンディンスキーがシェーンベルクの無調性音楽を聴いて、そのときの興奮と喜びを描いたそうです。カンディンスキーの伴侶であるミュンターの絵を初めて見ましたが、素晴らしいのです!カンディンスキーの弟子ですから、必然的にそのタッチは似ているのですが、ユーモアとセンスに溢れた女性ならではの絵であると思います。
これはミュンターの「テーブルの男<カンディンスキー>」。味のある絵でしょう?それにしても、三菱一号館美術館は壁や床の色が格調高く、絵画をますます引き立ててくれます。
カンディンスキーと青騎士展
2011年2月5日土曜日