毒
ポニカ版ウルティマの移植度について思う事を細々と。
特に明記されていない限りウルティマコレクション日本版に収録されたPC-9801版についてです。
普通に移植されている部分については述べていないので悪口の列挙になってしまっています。
Ultima I
リメイク版Ultima Iの移植。
良い点
- 移植された事自体。
先にIIとIIIがスタークラフトから移植され、Iが無かったので嬉しかった。
悪い点
- ダンジョン内でモンスターや宝箱の距離がわからない。
距離によって拡大縮小表示はしているが狙った効果を発揮していない。
さらに宝箱でモンスターが隠されたりもするのでどこに何があるのか把握が困難。
どちらとも言えない点
- BGMが追加されたがゲームの雰囲気にあっていないように思う。
BGM演奏にはPC-9801実機のサウンドROMが必要。
評価:
★★★☆☆
ダンジョンの表示は残念ですが他は普通に移植されています。
かなり昔のゲームなのでボリュームは少な目。
Ultima II
良い点
- 地球以外の惑星上でもセーブできる。
ちょっと便利。
悪い点
- スケルトンからアイテムが入手できる。
そこまで簡単にする必要があったのか疑問。
シーフ以外からアイテムを入手できるようにするのは良いが、アイテムを盗まれるリスクは無くすべきではなかったと思う。
- 僧侶と魔術師が見分けにくい。
Ultima IVのグラフィックを流用しているのでどちらも魔術師に見える。
もう少し僧侶に見えるようなアレンジをするか、新規にグラフィックを作成すべきだったと思う。
- デーモンとデビルが見分けにくい。
グラフィックを流用しているせいでモンスターの特徴が無くなってしまっている。
Apple][版等では腕を麻痺させるデビルが三叉の槍を持っていて非常にわかりやすい。
- ダンジョンがUltima Iのほぼ流用になっている。
モンスターの種類は多くなっているが松明を消す水の精のようなモンスターがいなくなっている。
特徴的なモンスターだったので消されてしまったのは残念。
- 離陸したシャトルが自動でランダムなハイパージャンプを行う。
そんな事する必要ないのに。
ただの嫌がらせとしか思えない。
- 地球に着陸したシャトルが燃え尽きて消滅する。
不必要な改変。
- 地球以外の惑星の地形が青系や赤系になっていて地形が非常に見分けにくい。
草原と沼地はよく見てもどっちがどっちだか分らないし、エネルギーフィールドも見分けがつきにくい。
ポニカPC-8801版では地球と色が違うなんてことなかったと思うけれど…思い出せない。
- 冥王星の地形が非常に簡略化され、村もなくなっている。
なぜこのような変更をしたのか疑問。
- 枠表示が追加されたせいでミナクスの城にあるTIME ZONEに並ぶタイムドアが中央の通路から見えない。
城内の見所の一つだと思うので残念。
- 伝説の時代のモンスターが復活する。
伝説の時代のモンスターは状態保存されず、モンスターを全て倒してもマップデータ読み込み(タイムドアでの移動、ミナクス城の出入り、セーブして再開のいずれか)でモンスターが復活する。
下手な場所でセーブすると復活したモンスターに囲まれて脱出不可能になり詰み状態に陥る可能性も。
飛行機や馬も伝説の時代で降りて放置しておくと消えてしまう。
- 城や町にある武器と防具が入れ替わっている。
配置されている数は同じなので問題ないとも言えるけれど気になる。
どちらとも言えない点
- モンスターの種類が増加している。
- シャトルが草原以外に着陸しようとしても爆発しない。
Apple][版やスタークラフト移植版では即死でしたが、ただ単に着陸できなくなっています。
- BGMが追加されたがゲームの雰囲気にあっていないように思う。
BGM演奏にはPC-9801実機のサウンドROMが必要。
評価:
★☆☆☆☆
がっかり。
Apple][版かPC(英語)版をお勧めします。
Ultima III
悪い点
- タイトル画面のキャラクタ表示のデモが無い。
- 食料をキャラクタのレベルと同じ数だけ消費する。
酷い。
- 戦闘時のモンスターの移動アルゴリズムが変。
プレイヤーキャラクタの右斜め前に移動したがるので接近された場合にダメージを受けやすくなっている。
移動処理で計算ミスしているだけのように見えます。
- 風向きは表示されているが、船の移動には何の影響も無い。
意味不明。
- ダンジョンのマップが破損している。
元々破損していたと思われるApple][版のデータを使用したためだと思います。
2年前に移植されたファミコン版恐怖のエクソダスでは破損が修復されたデータを使用していたのに…
(恐怖のエクソダスのマップにも移植の際に壊してしまったと思われる小さな破損が数ヶ所あります)
- アンブロシアが赤色になっている。
Ultima IIの惑星もそうだけれど、何でこういう変なアレンジを加えたがるのか理解不能。
- アンブロシアが野外扱いでモンスターが発生する。
- アンブロシアの海上にある扉を開くと床になり船が通れない。
なんでそうなるのか…
- OTHER COMMANDが無くなり、OPERATEに変更されている。
OTHER COMMANDに関連する部分はかなり変質させられてしまっています。
出来の悪い海賊版みたい。
- 衛兵への賄賂額が値上げされている。
どちらとも言えない点
- 戦闘から逃げられるようになった。
追撃ダメージを受けるのでHPが低いとそれで死亡してしまう事もあります。
評価:
☆☆☆☆☆
問題外。
Apple][版かPC(英語)版をお勧めします。
Ultima IV
キー入力がバッファに溜ってしまう問題がありますが、これはApple][版でも同じでした。
若干翻訳の表記ゆれがあって正しい会話キーワードがわかりにくい部分がありますが、これくらいは我慢すべきかもしれません。
機種によって評価が分れるので別々に。
PC-8801版
良い点
- 神殿でルーン文字が表示されるとき派手な赤枠も表示される。
ルーン文字だけのPC-9801版、X68000版と比べて何か特別な意味があるというアピールは多め。
悪い点
- 漢字が使用されていない。
8ビット機なのでこれはしかたのない事かもしれません。
- タイトル画面の壁につながれたモンスターの表示が削除されている。
- タイトル画面のキャラクタ表示のデモが無い。
- キャラクタ表示のマスク処理が行われていないので、キャラクタの背景が黒塗りになっている。
個人的にはこれで良いと思っています。
- 丘陵のグラフィックが緑地に黄色がベッタリ塗りたくられていてギラギラ眩しい。。
当時はもの凄く不満でしたが、今はそれも思い出のうちという事でそれほど嫌ってはいないです。
- 神殿で表示されるTのルーン文字が細めの矢印(あるいは先の尖った棒)にしか見えない。
評価:
★★★★☆
いろいろ挙げましたが、なかなか良い移植だと思います。
個人的にはApple][版と並んで好きなバージョン。
PC-9801版(ウルティマコレクション日本版)
悪い点
- タイトル画面のキャラクタ表示のデモが無い。
- BGM演奏にはPC-9801実機のサウンドROMが必要。
PC-9801実機が必要なので一般人には少しハードルが高すぎると思います。
- 神殿で表示されるTのルーン文字が細めの矢印(あるいは先の尖った棒)にしか見えない。
評価:
★★★★☆
多少の問題はありますがメッセージも読みやすく良移植。
X68000版
良い点
- 新たにゲームを始めたときのグラフィック表示が256色で美しい。
タロットカードの画面から8色表示になります。
悪い点
- タイトル画面の壁につながれたモンスターの表示が削除されている。
- タイトル画面のキャラクタ表示のデモが無い。
- 戦闘画面での移動が正常にできない。
画面表示あるいはその為のデータを移動判定に使用しているようで、パーティのメンバーが移動して画面が更新される前に、次のメンバーが前のメンバーがいた位置に移動しようとしても移動できない。
パーティメンバーを1列に整列させて一定方向に移動しようとキーを押しつづけると必ず途中から移動できなくなる。
移動するときは画面更新を確認してから行わないといけないので非常にテンポが悪くなる。
- 画面内に魔法フィールドがあると水面、溶岩のアニメーションが停止する。
グラフィック画面が広い分キャラクタサイズを拡大したものの、上手く扱えなかったようです。
キャラクタサイズが36×36ドットというのはゲーム向きで無いと思う。
- 神殿で表示されるTのルーン文字が細めの矢印(あるいは先の尖った棒)にしか見えない。
どちらとも言えない点
- BGMがADPCMを使用して豪華になっている。
非常に良いアレンジがされた曲もありますが、うるさいだけでプレイ中聞き続けるのが少し苦痛な曲も残念ながらあります。
評価:
☆☆☆☆☆
問題外。
PC-8801版と比べてもかなり操作性が劣る。
Ultima V
悪い点
- グラフィックの色数が8色しか使われていない。
PC(英語)版のように16色使えればもう少しキレイな画面になったかもしれません。
PC-9801の古い機種に合せて機能制限する事は良くあったようで残念。
- ロードブリティッシュが囚われた部屋から脱出するゲートの色が水色。
ここは赤いゲートを表示して欲しかった。
- PC-9801版にはダスタードの力の言葉を聞き出せない不具合がある。
逆さ言葉の会話を変更した過程で誤って不具合になってしまったようです。
ひょっとしたらX68000版にも同じ問題を抱えたバージョンがあったかもしれません。
- X68000版にはUltima IVからキャラクタ転送できない不具合がある。
購入後すぐユーザー登録ハガキを送り、忘れた頃に交換通知のハガキか封書(よく憶えていません)が届き交換してもらいました。
どちらとも言えない点
- ダンジョンルームの仕掛けスイッチの壁がPush以外では反応しない。
Apple][版やPC(英語)版では投擲武器や魔法でもスイッチが動作するので、Doomのあの部屋でそれほど長く悩む事にはならなかったと思います。
剣やハルバード等の打撃武器では反応しないので、投擲武器や魔法で反応する方がバグで、ポニカ移植版の方が本来の仕様のようにも思えます。
評価:
| ★★★★☆
| PC-9801版(ウルティマコレクション日本版)
|
★★★★★
| X68000版
|
PC-9801版、X68000版ともに良い出来です。
PC-9801版も力の言葉の問題が無ければ
★5つだったのですが。
効果音はX68000版の方がキレイです。
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