MS-1410 6DJ8 push-pull Balanced Stereo Power Amplifier  [October, 2014]

 ぺるけさんのmini-Watterからの派生機種です。春日トランスの夏休みセールで調達したトランス類を活用すべく、主な用途をBalanced headphone ampに設定して設計に掛かりました。平衡入力を持ち、出力はbalanced headphoneと補助的に背面に設けたspeaker端子。両者は前面のスイッチで切換えます。
 6DJ8の手持ちを活用した以外は、珍しく大半の部品が新規調達したものになっています。利得の設定にしばし悩んだ結果、回路を決定しました。回路図はこちら
 2SK30Aは手持ちから選別したのでは不足して、ぺるけさんからの頒布を受けたものを加えました。
 まずは全体をご覧下さい。今回は非常に変わったシャーシ加工の手順になりました。ご覧の通り、前面と背面のパネル部に部品が密集しています。それらのなかには奥行きの長い部品もかなりあって、安直な部品配置では互いに干渉する恐れがかなりありました。もちろん、事前検討をしっかりすれば避けられるでしょうが、過去の実績から不安が払拭できませんでした。
 かくして今回は、前面と背面のパネル加工をすませて部品を実装し、その後現物合わせでシャーシ天板の部品配置を決めました。壊すといけない部品を外してから天板を加工したのです。トランス類が一直線に並ぶように配慮したら、奥行き方向の寸法にあまり余裕がありませんでした。上から見るとシャーシが大きすぎるように見えますが、内部は結構詰まっています。
トランス類と平ラグを10-20mm後ろにずらすのが最適な配置だと完成後にわかりました。
 
平衡回路のステレオは、相当に気をつけて組まないと入れ違いが起きます。スイッチやコネクタ、VRなど可能な限りにL+とかR-と表示することで、後からの点検が楽なように配慮しました。この辺は、もうなりふり構わずです。  入力はCannonのbalanceのみ。これでほぼ背面パネルも一杯です。Fuseが前面に追い出されたのも、この辺の事情です。出力トランスの二次側は前面のスイッチを経由して、背面の出力端子につながっています。
 入力端子の左にある小さな基板には、-電源を供給する安定化回路が乗せてあります。当初はheaterも安定化する構想だったのですが、整流後の電圧が不足して断念しています(Low-drop-outのregulatorをもってしても無理でした)。おかげで大変安定な-4.09Vを定電流回路につなぐことができました?!
 Pilot lampは6.3V巻線を別に整流して点火しています。

 左の画像で中央部に横たわっているのが信号系を搭載した平ラグで、L/R各一枚を当てています。部品点数が多くて端子数が不足ですが、乱暴な空中配線を併用して押し込みました。
 右に写っているRchは5.1Vのツェナなど、さらに部品が多くて混み合っています。電解コンデンサが倒れているのは、こうしないとナットが締められないから。Lchの方は、前面パネルにつけた部品に圧迫されて、こちらも結構窮屈です。

 +B電源はいつものFET安定化方式、下部中央の基板に整流部を含めて乗せてあります。その左の立てラグは+Bからトランジスタに供給する電源を作るためのツェナなどを実装しました。
 下が健康診断の結果です。Audio analyzer VP-7723Aで平衡回路を測定する小道具が未整備のため、不平衡で測っています。
仕上がりgainは約7倍で少し高めですが、無理して下げることはしませんでした。位相補償コンデンサは1,000pFにしています。10kHzの矩形波に少しリンギングが見えますが、しばらくこれで使ってみます。
 Headphoneをつないでみたところ、Op amp式のMS-1101とも共通する低音の出方があることがわかりました。高域の刺激は本機の方が少なくて、思惑通り常用にできそうだと喜んでいます。FET式の部品の準備もしていたのですが、作らないですむかも知れず、ちょっと残念です。
測定系の都合で、unbalanceでdataを採りました。200mW出力時の周波数特性です。
歪率特性です。周波数による差はほとんどありません。
追記

 2017
年に銅線を加工してFET頂部に貼りつけ、熱結合を行いました。

 各部の電圧測定の結果、完成直後とほぼ変化のないことが確認できました。
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