MS-1101 Balanced headphone amplifier by Op amps [January, 2011]

 

ぺるけさんの著書の追試三作目です。
今回は音楽を聴くための道具として作りました。Caseは何十年か前に周波数counterを入れていたものを再利用。前面panelだけ新規に作りました。
 部品の大半は全て在庫の活用で、Op ampと電源トランス、Cannon connectorだけが新規購入。
 回路図はこちら
 
 最初の作業は、headphoneのcableを4芯にして、左右別々のreturn経路を用意すること。モルモットに選んだのは、素性の怪しいMDR-V6です。さすがに、AKG K701を分解する勇気(注)はありませんでした。ぺるけさんの頒布を受けた4芯cableを加工。ampとの接続は5pのCannonですが、配線の色分けが全く本家と違っています。もっとも、これは閉じた話で、Cannonの端子接続は共通ですから機会があれば相互乗り入れは可能です。
 注: その後の調査で、AKG K701は4芯cableが使われていることが判明。Plugを切り離して5PのCannon plugをつけるだけで平衡化できました。
 伏兵に手こずって完成に手間取りました。Tracking regulatorの発振に見舞われて、Op ampを交換する羽目に。当初、minus側も337で安定化していたのですが、ただでさえ発振しやすい負電源のregulatorと帯域の広すぎるOp ampを組み合わせたのでは、勝ち目がありません。Can packageの741に登場願い、制御素子も単純にPNP transistorだけにしたら、やっと安定して動くようになりました。増幅部の隙間に電源を組み込んだおかげで、上記のtrouble対策で増幅部のあちこちを損傷してしまい、遂にL-channel側は別の基板に組み直して元の敷地に重ねています。増設した方は片面基板ですが、これでも十分組めるのがわかりました。Cut and tryを重ねるとlandがはがれるでしょうが、実績のある回路なら改造もなしですむでしょう。
 もう一つのtroubleは前面に貼り付けた透明シールの浮き。あばたのようになってきたので、急遽白紙のシール(不透明な台紙)を調達して貼り直しました。
 最後の(と思いたい)troubleはcaseの問題で、bonnetを固定するtapが馬鹿になっていました。仕上げ段階で気づいたので、対策ができていません。曲げた部分に加工するのは大変なので、M4のnutでも内側に貼り付けるしかないでしょう。

  あまり見せたくない内部写真です。利得も適切で使いやすいampになりました。
 続報です。Tapの代用としてKalei nutsという部品を圧入することで解決しました。思いの外きれいに仕上がったので、これからも活用できる工法だと思います。
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