MS-1312 6CK4 single stereo power amplifier [December, 2013]

 MS-1111 6BX7 Loftin-White ampを組み換えたものです。年末に掛けてaudio systemを新調したいという知人から依頼を受け、ampを用意することになりました。予算との兼ね合いから、出力2-3Wで納得のいく音が出るものと言うことでMS-1111を候補に挙げましたが、予備球の在庫に余裕がありません。手持ちの球で数量が確保できるものとして6CK4が浮上。初段もECC84がたくさんあったので、入れ換えることにしました。この球のシールドは不要ですが、球の保護のつもりでつけています。
 電気の知識のある持ち主なので、球が劣化したら自力で交換・調整が可能です。出力管のbias調整のために初段管への供給電圧を可変する機能を追加しました。5814Aはそのために追加した球です。ブロック型の電解コンデンサは余命があまり長くないと判断し、交換しました。結局、かなりの部分を組み換えることになりましたが、原形では十分配慮できていなかった部品配置も改善できています。改装後の回路図はこちら
 改装後のシャーシ内部です。右の壁についているメタルクラッド抵抗が出力管のbias用で、猛烈に発熱します。この抵抗の両端電圧を測定し、140-150Vになるように初段への供給電圧を調整する方式にしました。抵抗値の精度は1%と優秀です。
 今回、大幅に変更になったのが電源周り。ブロック電解コンデンサを外した分、シャーシ内にチューブラが増えています。電源トランスの上方空間を浸食しました。右下の基板は、初段の供給電圧を可変する回路。
 基板の左に見えているソケットにささる5814Aのgrid biasを可変しています。
 Audio analyzer VP-7723が入ったので、基本特性はあっという間に測定できるようになりました。8Ω負荷に1W出力のデータです。高域が少し物足りない理由は子細に検討していませんが、負荷抵抗値が最適でないからかも知れません。
 あっさり測れた歪率です。積極的に打ち消しをやっていないので、second harmonicsが目立ちます。
聴感上は、6BX7で感じた"きつさ"は姿を消しています。これは6CK4の個性として、肯定的に受け入れました。
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