MS-1012 Op amp式headphone amplifier [December, 2010]


 ぺるけさんが著書で紹介されているheadphone amp二作目です。音楽を聴くためではなく、講演の録音を聴き直す用途が前提で、手っ取り早く作るのが最重要条件でした。それならOp amp式にしようと即断。Caseは壊れたDVD driveの抜け殻、部品も全て在庫の活用です。回路図はこちら
 
 増幅部の基板です。ぺるけさんの基板配置図を大いに参考にさせてもらいました。入力部のコンデンサは電解を嫌っての選定。電源部の電解コンデンサはたまたまこれだけの数が手持ちにあったので、まとめて使うことにしました。
 裏面は十分に整理されていませんが、ほとんどの部品が自分の足だけで接続できています。将来、交換することを考えていないので、こんなことができました。 Op ampはNJM2114が出てきたので、使ってみることにします。電源に入れてある0.1は省略して発振させた本職での苦い経験の産物。以来、無条件で入れるようになりました。位相補償の5pFはスチコンです。
 Virtual groundを作る回路。ぺるけさんの方式とは違い、Op ampによるbuffer式を試しました。ここで使っているのは、手持ちがたくさんあるuPC259で、民生用の品名は4560です。別の回路を組んでいた基板の空き地に実装し、動作確認後、必要な部分を切り出しました。LEDの電流制限抵抗もこの基板に実装しています。
 Caseの加工を始めます。中央の部材は造作を取り去った後でも平坦ではないので、なるべく障害物を避けるように基板を配置しました。本来は裏側だった面にpanelを追加して前面に仕立てます。元の前面はAC cordが出るだけ。トレイの蓋は周辺の部材に接着しています。
 作った基板と手持ちの電源基板(DC 15V)を並べたところ。右のpanelは断面がコの字をしたAlアングルで、厚さ1mmでも折り曲げ部があるので結構丈夫です。これは本体の薄い鉄板を多少なりとも補強する役目をしています。抜き差しの力の掛かるjackの真下にはビス穴を追加しました。Caseへの接地はこのjackが担っています。
 突然ですが、特性の議論。

安物の二連可変抵抗ですが意外にgang errorが小さいことがわかりました。


 DC offsetは0.5mV(L)と0(R)で、きわめて優秀な結果でした。
 できあがってみると、いささか利得過剰でした。ぺるけさんの本でも、discrete版の二倍近い利得が示されていて、実感とも符合します。音量可変幅を使いやすいところに持ってくるために、入力端子に抵抗を二本追加しました。ちょっと殺しすぎですが、快適に使えるようになりました。回路図は、この変更も反映した姿で描いています。
 雑音も皆無で気持ちのいいampになりましたが、おとなしい音質のdiscrete版の方が好みにあいます。音楽再生用ではないので、今回はこれで十分です。
 しばらく使っていましたが、ときとして角の立った音がするのに気づき、Op ampを4556に交換しました。効果はてきめんで、discrete版までは行かないものの、かなりおとなしい響きに改善できました。
 ついでに入力部の殺し屋に抵抗を追加し、可変幅を実用的な範囲に微調しています。

 完成した姿。操作部は見ればわかると考え、型番だけの表示にしました。基板についている電源switchは、ほぼpanelと面一になり、まあまあ見られる格好です。
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