モデスト・ペトロヴィッチ・ムソルグスキー。 「ロシア国民楽派5人組」の一人で、その中でも大胆で斬新な作風を切り拓いた存在として注目を集めていた。 しかし、放漫な生活態度であったうえにアル中で精神障害だったために、社会生活にうまく適応できず、その生活 は悲惨を極めていた。 また、そのような背景が原因となって、未完成のまま残された作品も非常に多いが、その反面彼の創作は常に 群を抜いたものであり、それが後世の音楽、特にフランス印象派音楽に及ぼした影響には計り知れないものがあ る。 |
○組曲「展覧会の絵」(ピアノ原典版)
この組曲は、何故、私をここまでのめりこませるのだろうか…。実は、私がムソルグスキーの音楽で最初に聴いたのが「禿山の一夜」のリムスキー=コルサコフ編曲版で、そのおかげで「ムソルグスキー=不気味な曲を作る変な作曲家」という失礼な印象がインプットされてしまっていました。そんな印象を持っていた作曲家の曲が、私にとってなくてはならないものになろうとは思いもしませんでしたね(笑) 冒頭の「プロムナード」という曲の「ソーファーシ♭ードファレードファレーシ♭ードーソーファー♪」というメロディーほどやみつきになってしまったものは他にないかもしれません。何かと頭の中で流れ出すし、ピアノを弾くときにはこの曲を弾かずにはおれません。自分でも不思議なくらいはまってしまっている曲ですね。 全体的に重々しく重厚で、何となく荒くれな雰囲気がこの組曲の魅力。堂々とした風采でラストを飾る「キエフの大門」が見事にこの組曲を締めくくっています。 この組曲を全曲完璧に弾くことが私の人生の目標の一つです。 この組曲に関しては、いろんなピアニストが録音をしているので、多くの演奏家の聴き比べを今後もしていくのがまた楽しみの一つです。 →「展覧会の絵」の聴き比べ |