『 日中関係史 1500年の交流から読むアジアの未来』
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エズラ・F・ヴォーゲル 著 (益尾 知佐子訳)
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日本経済新聞出版社 2019年12月17日発刊
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目 次
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第1章. 中国文化の日本文化への貢献 (600〜838年)
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第2章. 革新的な学びを伴わない貿易関係 (838〜1862年) |
第3章. 西洋諸国への対応と関係再開 (1839〜1882) |
第4章. 朝鮮をめぐる競争と日清戦争 (1882〜1895年) |
第5章. 日本に学ぶ中国の近代化 (1895〜1937年) |
第6章. 台湾と満州の植民地化 (1895〜1945年) |
第7章. 政治的混乱と戦争への道 (1911〜1937年) |
第8章. 日中戦争 (1937〜1945年) |
第9章. 大日本帝国の崩壊と冷戦 (1945〜1972年) |
第10章. 協力 (1972〜1992年) |
第11章. 日中関係の悪化 (1992〜2018年) |
第12章. 新時代に向かって |
概 略
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遣隋使以来1,500年の日本と中国の関係を第三者の視点から客観的に記述した歴史書。著者は、『ジャパン・アズ・ナンバーワン』が日本でベストセラー、『現代中国の父
ケ小平』が中国でベストセラーになった米国人の東アジア研究者。日中関係改善への期待、提言もあり、戦後日本の中国、韓国に対する意思表示の態度については厳しい意見も提示している。
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感 想 |
遣隋使の時代、日本は中国文化の影響を多大に受けた。その後、近い割にはその関係性は薄くなり、日本も独自の文化を培っていく。そして、西洋文明への対し方も異なり、近代において、その面では、日本が中国に教える立場となる。その後、日中関係の中では、最悪の近代の日中戦争に突入することとなる。日本はなぜその道を選んだのか、なぜ恨みを買うようなことをしてしまったのか、時代背景なのか、世界情勢なのか、本書を読んでいて残念な気持ちになる。それだけ近くて遠い関係になることは、やはり両国の文化、国民性の違いから、宿命と考えるべきなのか?そして、現代の中国も民主主義と離れて国家運営が将来にわたってうまくいくとは思えない。ディストピアへ向かうのか?それは日本人だから、西側の人間だからそう思うのか?
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