農耕の歴史 | 探究テーマ史 #42 |
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世界 | 年代 | アジア・日本 |
1399年 室町時代 |
この時代の武士は、領地の農村に、堀や塀などで囲まれた館を構えて住み、土地を開墾して、農民を使って農耕させた。地頭は、荘園の年貢を取りたてる権限を持つため、荘園領主との紛争も多くなった。幕府の勢力が伸びるほど地頭の権利は強化され、土地の支配を強めていった。地頭の中には、土地を分割して一部の土地の支配権が認められる者も現れた。(*1) | |
地頭などが積極的に新田を開発したことで、耕地面積は拡大した。麦を裏作とした二毛作が普及し、牛馬が農耕に用いられるようになり、また鎌や鍬などの鉄製の農具が普及し、草木灰などの肥料も使われるようになって、農業生産が向上した。(*1) | ||
染物に用いる藍、紙の原料の楮(こうぞ)、布の原料の麻、蚕を育てる桑、燈油の原料の荏胡麻(えごま)、茶など多くの種類の作物が栽培されるようになった。(*1) | ||
農具などを作る鍛冶屋、染物の紺屋、建物を建てる大工、紙・絹布・麻布・土器などを作る手工業の専門職の職人が登場した。(*1) | ||
1500年頃 室町時代 |
この時代、農業技術は大きく進歩した。鉄製農具が広く普及し、灌漑の設備が向上し、水車も用いられるようになり、農作物の品種改良も進んで地域に適した栽培が可能になった。(*2) | |
肥料も従来の草木灰だけでなく、刈草や下肥(人や牛馬の糞尿)も用いられるようになり、さらに生産性が向上した。(*2) | ||
特産品が各地に登場した。宇治(京都)や駿河(静岡)の茶、阿波(徳島)の藍、尾張(愛知)、加賀(石川)、丹後(京都)の絹織物、越後(新潟)、信濃(長野)の麻織物、瀬戸(愛知)、近江(滋賀)の陶器、摂津(大阪)、河内(大阪)の酒、出雲(島根)の鍬、など。日明貿易で人気のあった刀剣のために各地に刀鍛冶が盛んになった。(*2) | ||
日明貿易で永楽通宝など大量の明銭が持ち込まれ、貨幣の流通が増え、経済活動も活発になった。(*2) | ||
資料 | 石橋秀雄他 『世界史大年表』 |
*1 『天皇の国史』P328 | |
*2 『天皇の国史』P366 |