■完成に至るまで
それまでの授業で、みんなには自分のドリームの物語をデザインした絵を描いてもらいました。その中からモチーフにしやすい絵を集めて一つの絵にし、下書きをしました。280cm×180cm。想像していたより、大変でした。でも、美術部の子たちや、妹とその友達にも手伝ってもらい、なんとか中3の子たちが授業で取り組み始める前に下書きができました。
簡単な所、難しい所、色々あるけど、みんなに自分のしたい所を適当に選んでもらって取り組んでもらいました。すごく早い子、マイペースに丁寧にやる子、几帳面な子、本当に138人みんな違うんだなあということを実感しながらちょっとずつ完成に向かいました。少し授業の時間が足りないくらいだったけど、みんな打ち出しをして、硫黄の薬品でいぶして、膨らんでいるところの色を剥がしていくという作業をやり遂げてくれました。
私は、かまってしまい過ぎるので年下の相手は下手です。たまに「自分でやります」という子がいて反省したり、「先生できたー」と言って喜んできてくれる子に「私もうれしいよ」という気持ちをどう表現したら良いのかわからずに動揺したり…。自分自身が笑えたし、子供たちもいい子ばっかりで(本当に)先生ってのも面白い職業だなと思いました。
今思うと、少し指揮者の気持ちを体感したのかなと思います。あと映画監督とか。曲や脚本があるものの、自分の持って行き方次第で完成度や雰囲気が全然変わってくる。で、そこにはすごい責任が乗っかってるんだな、となんとなく少しだけわかったような気がしました。とりあえず、こういう機会をいただいて大変幸せだなと思いました。最後の授業の後は、思っていたよりもドッ!と疲れが来ましたが。
なんとか子供たちの作業は終わりましたが、平面の部分はまっすぐのままではないし、立体的な部分は浮いています。これを一つにするにはこれからまた同じぐらいの文章が書けるほど大変なんですけど、これはこの後額装のプロの方がどうにか一つにしてくれます。これをこの後一つにしてねと言われたら私は泣きます。額装をしてくれる方、よろしくお願いいたします。
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