メモ
福岡健平和委員会から、中村哲さんが中心になっているペシャワール会が提唱している「アフガンいのちの募金」活動計画の資料をもらった。新しい認識をさせられた。「現政権はもたらした秩序と市民生活の安定は、多くの人々にとって、たとえ極貧にあってもかえがたいものであった。逃げ場のない人々は半ばあきらめて氏を待つに等しい。それでも彼らは動こうとしない。人々は過去22年間の内戦で多くの苦汁を味わってきた。かつてパキスタンで行われた難民援助の実態を知る者は、誰一人故郷を離れようとしないだろう。」と中村さんは述べている。さらに中村さんは「アフガニスタンの実像は正しく伝えられていない。人々は北部の軍事勢力と米国が協同して昔の混乱と破壊の悪夢を再現すると恐れている。しかし厳冬を間近に、餓死の不安が広がっている。そのうえ、国際社会はまるでアフガン民衆の「難民化」を期待しているかのようである。親切や助力は当人たちのためにするものであって、政治やビジネスの道具ではない。いわんや、そのために難民をつくりだすのは非人道的だといわざるを得ない。期待されるWFP(世界食糧計画)の支援も現在時間がかかりそうである。事態は緊急である。私たちは、巨大な難民キャンプと化した一〇〇万都市カブールが、一人も餓死者を出すことなく今冬を乗り切り、難民化をまぬがれて平和な市民生活を送れるように、ここに大規模な行動をおこす」と訴えている。さらに中村さんは具体的に「餓死の予想される人々の生命を保障して惨めな難民化を防止すべく、ただちに餓死に直面すると推定される一〇万名(約一万家族)の食糧配布を自らの手でただちに開始する。費用は一家族(10人)の一ヶ月分の小麦粉・食用油の代金として日本円で二〇〇〇円。状況次第ではできる限りさらに拡大する。現在、カブールにいる一〇〇万から一五〇万名のうち慢性の飢餓状態の者が約三〇から四〇%。餓死線上の者が一〇%前後と推測される。共感される方々のご支援を切に望みます」とある。
緊急事態にあり、この会の人たちなら一番確実にわれわれの善意がアフガンの人たちに届くのではないのだろうか。【山下千秋】
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