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日本国憲法を活かすのは私たち

4年ぶりに若者憲法集会開く

 6月11日、4年ぶりに若者憲法集会が開催されました。平和委員会や民青同盟などがつくる実行委員会の主催です。東京都内で行われた集会には全国から約1000人、デモには約1500人が参加。長崎県からは4人が参加しました。

 午前中は分科会。学生企画では、「憲法が、希望。」と題して山添拓参議院議員が講演しました。山添議員は、憲法は権力者にさまざまな制約を課しているが、政府は一貫してその制約を取り払おうとしてきたと指摘しました。憲法審査会の動きにふれて、「ウクライナ戦争の下でも多くの国民が改憲を望んでいないことは、私たちが確信にすべきことだ」と述べました。

 別の分科会では、「憲法から、死刑冤罪を考える」とのテーマで、日本国民救援会中央本部の瑞慶覧淳さんが講演しました。瑞慶覧さんは、日本で冤罪事件が絶えない点について、「憲法の精神からかけ離れた捜査や裁判が行われていることで、冤罪事件が構造的に生まれている」と指摘しました。今年3月に再審開始が決定した袴田事件などの冤罪事件の実態や被害者救援の運動が紹介されました。

 午後はメイン集会で、一橋大学名誉教授の渡辺治さんが講演しました。渡辺さんは、憲法の力について「私たちが座っているだけでは、何の力も持たない。『結婚退職は憲法14条違反だ』と裁判所に訴えた女性労働者の運動が起こるなど、立ち上がる市民には、憲法は大きな力を発揮する」と発言。「岸田政権が大軍拡、改憲を強行しようとしている情勢のもとで、若者が立ちあがろう!」と呼びかけました。

 またメイン集会では、全国各地の青年から活動報告が。長野県の信州大学の学生からは、「運動を通じて、対話を広げていけば、改憲・大軍拡反対の世論はもっと広げられるし多数派にしていけると感じました」とスピーチ。「9条守ろう!」「軍拡反対」との思いを一つにできた集会となりました。

 集会に参加した吉村さんは、「日本国憲法は、平和や人権についてよく記されており、その点において先進的であると感じました。しかし、憲法を生かすも殺すも我々国民次第であり、私は現行の憲法を生かす活動に、より力を入れようと決意しました」と感想を語りました。

 若者憲法集会は、このほど軍拡反対で一致する青年のネットワークをつくる運動を提唱しました。長崎県でもネットワークづくりを通じ、平和を守る世論を青年に広げる活動に平和委員会としても尽力していきたいです。

(2023年6月12日)