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憲法破壊の軍備増強に断固抗議する

「安保関連3文書」の閣議決定に怒りの声

 12月16日、岸田政権は「安保関連3文書」改定を閣議決定しました。改定の大きな柱は、防衛費の大幅増額や敵基地攻撃能力の保有です。明らかに軍備増強のための改定であり、国会での論議もなく、憲法9条を軸とした専守防衛をないがしろにする暴挙です。

 こうした暴挙に声をあげようと、「憲法破壊の軍備増強に反対する市民集会」が翌17日に長崎市鉄橋で開催され、約160人の市民が参加しました。集会は34団体が賛同団体として名乗りをあげて開催。会場周辺では、「防衛費を増やすために、増税が進められる」「議会と国民を無視している」などの軍備増強に反対する理由を説明したチラシを通行する人に配布しました。

 集会では8団体の代表がリレートークを行いました。長崎原爆被災者協議会の田中重光会長は、「反撃能力の保有は日本を守るどころか、日本を全面戦争に突き進む、そういう結果になるのではないか」と発言。長崎原爆遺族会の本田魂会長は、「ハガキ1枚で軍隊に引っ張られるような状況になるかもしれない。絶対認めるわけにいきません」と話しました。

 「女の平和in長崎」の井形和子共同代表は、「国民の暮らしを犠牲にし、他国の人間を殺す軍事費に税金が使われるなんて許せない」と政府の姿勢を非難。新日本婦人の会長崎県本部の大橋由紀子会長は、「軍事費を5年間で総額43兆円に増やし、財源の不足分は増税でまかなうそうです。消費税10%や高物価で暮らしが大変な中で、岸田首相は『今を生きる国民が自らの責任を背負って対応すべき』と発言したことに、驚きと怒りでいっぱいです」と憤りの声をあげました。新婦人のメンバーがプラカードを掲げながら口々に「年金減らさないで安心の老後を」「学校給食無償は4400億円でできる」など、軍事費増加の財源で可能な社会保障拡充等の政策をアピールしました。

 集会では、「防衛力を強化すれば中国と北朝鮮も軍拡に走り、際限のない軍拡競争のあげく戦争につながりかねない」「国会でほとんど議論せず閣議決定したのは、議会制民主主義と国民を無視する暴挙」「戦争と原爆で甚大な被害を体験した被爆地長崎の市民は、国民の命を危険に晒す憲法破壊の軍備増強に怒りを込めて抗議する」アピールを採択。長崎からも、軍拡・軍備増強反対の世論を広げていきましょう。

(2022年12月17日)