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大軍拡阻止の国民的な大運動を

日本平和大会オンラインに延べ4,000人

 2022年日本平和大会が11月26日、27日にオンラインで行われ、全国1,200ヶ所から接続し、延べ4,000人が参加しました。県内は8会場+6個人の接続で40人が参加しました。

【開会集会】
 1日目の開会集会の主催者報告では、岸田政権が進める大軍拡路線を何としてもくい止める、そのための大運動の提起がなされました。

 海外からのあいさつでは、ウクライナから、ゼレンスキー大統領は「戦争を永続させる」つもりであり、軍隊への批判的な思考が許されない状況にあること、「戦争は国際法によって禁止されている。今こそ法律を機能させよう。戦争を終わらせるために、非暴力で希望を持って行動しよう」と呼びかけがありました。
 イギリスからは、NATOが核武装した同盟になり、秩序を破りながら拡大していることへの問題点が指摘されました。
 韓国からは、アメリカの核の傘など拡大抑止は脅威を作り出し対決を助長するだけなのに、岸田政権は米国に便乗してアジア太平洋地域の集団防衛体制構築に積極的であり、軍備増強に乗り出していると危険性を訴えました。
 ベトナムからは、アジアの平和と安全保障におけるASEANの政策と取り組みが紹介されました。

 毎回、海外の人は日本人より日本のことをよく知っているし、同じくらい世界各国の動向も把握できていると感じていましたが、ウクライナ侵攻の報道から、日本のマスコミは政府の路線に追随するように米国側の見方に偏っているためではないかとの思いを強くしました。

 ジャーナリストの金平茂紀氏は、今回の日米共同統合演習で与那国島の公道を戦闘車が走行した初の異常な事態を沖縄以外のメディアがほとんど取り上げなかった。ウクライナ侵攻で憲法9条を変えたい人たち、軍事費を拡大したい人たちなどが「元気に」なった。ウクライナ問題はなぜ日本の中でこういう形で利用されているのか。足下の軍備拡大強化がなぜ日本のメディア全体で共有されないのか。「3文書の軍拡は非常に危機的なところにきている」と日本が進もうとしている先への危機感をあらわにしました。

【シンポジウム】
 県内交流会を挟み、午後からは、シンポジウム「どうしたら核兵器も戦争もないアジアと日本をつくれるか」と分科会「敵基地攻撃・大軍拡を許さない学習と運動の交流」が平行して開かれました。分科会ではジャーナリストの半田滋氏と安保破棄中央実行委員会の小泉親司氏が講演し、北海道・鹿児島・愛知・全商連・医労連から取り組みの報告がありました。

【閉会集会】
 2日目の閉会集会では日米軍事同盟発効70年特別企画「本当に日本は日米軍事同盟の下で平和だったのか、どうすれば軍事同盟でない平和の道を開くことができるのか」のトークセッションが行われました。
フリージャーナリストの布施祐仁氏、憲法学者の清末愛砂氏が、ウクライナ問題をどう見るか、日本の軍事費2倍化など軍拡方向について、戦争回避の方法、日米安保の軍事面以外の弊害など、進行役の愛知県平和委員会青年・学生部の澤村暁世氏の質問に答える形で進められました。憲法学、ジャーナリストという専門家ならではの深い示唆に富んだ話にもかかわらず、わかりやすく運動への熱量も高めてくれる内容でした。

 沖縄と神奈川からは、米軍基地からの有害化学物質PFAS流出の現状とたたかいについて報告がありました。沖縄から発言した「#コドソラ」は2017年に普天間基地近くの保育園に米軍ヘリ部品落下事故後が起こったときに、子どもの空の安心安全を守るために結成された親の会です。今は小学校のグランドからPFASが検出されたにもかかわらず、グラウンドの土壌の基準がないために放置されていること、地域で古くから使っている水からもPFASが検出されたことから署名に取り組んでいます。「空も水も土も危険なものになってしまった」との言葉が重く響きました。
 最後に、改憲・軍拡・軍事同盟強化に反対し、平和な未来を拓く各分野からのリレートークがあり、次回開催地の鹿児島からあいさつがありました。
 県内の参加が少なかったのが残念ですが、盛りだくさんの内容で、学びを深めるよい機会となりました。

【県内交流会で熱い思いを共有】
 今年もオンライン大会であったため、一昨年、昨年に続き、長崎、大村の会場や個人参加を含む5カ所をオンラインで結び、9名の参加者で県内交流会を行いました。
 交流会では、「海外からの挨拶で、ウクライナの平和主義活動家、ユーリー・シェリアゼンコ氏が戦時下でありながら、ロシアだけでなくゼレンスキー大統領の姿勢を批判していることはすごいことだと思う」、「台湾問題に米国が介入することが理解できない」、「こういう機会がないと事実を知ることができない、もっと若い人たちにも知ってほしい」、「不安を煽って軍事力を増強しようとしているウソに騙されないよう事実を広めなければならない」など、開会集会の感想や普段感じていること、意見などが述べられました。
 反撃能力(敵基地攻撃能力)保有や軍事費2倍化に反対し、戦争をしない、させない運動を頑張る思いを共有しました。

(2022年11月28日)