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ジェンダーの視点から考える 統一協会と自民党

 9月14日、日本平和委員会はオンラインシンポジウム「ジェンダーの視点から考える統一協会と自民党」を開催し、約220人が視聴しました。

 日本平和委員会代表理事の岸松江さん(弁護士)は国葬の憲法上の問題点や球統一協会の被害実態について報告。安倍元首相の国葬に反対するのは、形式的には法的な根拠がなく、しかも憲法違反であるから。実質的な理由は安倍内閣が数々の憲法破壊の政策を行ってきたことだ。
 統一協会の目的は、宗教本来の目的である「個人の魂の救済」ではなく、統一協会の経済活動及び伝道活動に邁進する信者を大量に作り出すこと。巧みに勧誘して洗脳し、罪悪感を植え付け、献金をしなければ因縁によって家族にさらに不幸が訪れると脅して献金を強要する。その結果、人生の歯車を大きく狂わされ家庭の平穏が破壊される。これだけ長期間かつ大規模に問題となり続けた他に例を見ない反社会的団体の広告塔の役割を担った安倍氏と自民党の責任は重い。

 日本平和委員会代表理事の石川康宏さん(神戸女学院大学名誉教授)は統一協会/勝共連合と自民党政治のかかわりを報告。韓国で創られた統一協会は、1961年のクーデター後にKCIAが「反共」のために利用した。勝共連合は統一協会の政治部で、統一協会と日本の右翼が反共運動を行うために68年に創られた。日本側の発起人は岸信介等。勝共連合HPには革新自治体打倒やスパイ防止法制定、野党共闘分断運動の歴史が記されている。
 運動方針には「憲法改正」「防衛力強化」と並んで「同性婚合法化やLGBTの人権運動に歯止めをかける」が掲げられ、自民党改憲案以上に露骨なものとなっている。「夫婦別姓の背後には共産主義がある」として敵対している。自民党の改憲の中心的議員は統一協会とズブズブの関係にある。もはや政権を担当する資格はない。

 室蘭工業大学教授の清末愛砂さんは旧統一協会の家族観と改憲構想との共通点について報告。民主的な憲法がありながら、日本社会は家父長的社会規範が粘り強く残り続けてきた。この古い規範を接着剤として、価値観を共通とする宗教と政治の右派勢力が共鳴し、ジェンダー施策に負の影響をもたらしてきた。24条(家庭生活における個人の尊厳と両性の平等)の理念が浸透していれば少しは違う社会になっていたかもしれない。
 右派改憲勢力の長年の主なターゲットは天皇の元首化と24条改憲だった。彼らは、家族は国民統合のためにあり、個人の尊厳は家庭を破壊し、<調和>を脅かすと考えている。だが家族を大切にと言いながら家族を破壊してきたのは統一協会をはじめ、日本会議や神社系団体の方ではなかったか。
 右派改憲勢力の長年の主なターゲットは天皇の元首化と24条改憲だった。彼らは、家族は国民統合のためにあり、個人の尊厳は家庭を破壊し、<調和>を脅かすと考えている。だが家族を大切にと言いながら家族を破壊してきたのは統一協会をはじめ、日本会議や神社系団体の方ではなかったか。

(2022年9月15日)