ながさき平和委員会は6月11日に22年度定期総会を開催しました。
質疑では、ロシアのウクライナ侵攻に乗じた軍拡の危機意識を共有し、三菱長崎造船所の軍需産業化や沖縄など歴史を語っていくことの大切さ、被爆者の声を生かし出番を作っていくことの重要性などが語られました。また、集団的に作られている平和新聞ながさき版を評価する意見や、活動への参加を増やしていくことの大切さ、それに合わせてSNSでの情報発信を活発化することなどが示されました。
記念講演は、「ロシアのウクライナ侵略、敵基地攻撃軍拡、9条改憲の動き…平和のためにできることは?」と題して日本平和委員会『平和新聞』編集長の有田崇浩さんがオンラインで講演。
ロシアのウクライナ侵略の問題として、国連憲章違反、国際人道法違反、ロシアの「自衛戦争」に該当しない、核兵器禁止条約違反の4つを指摘し、「バイデン米大統領は『民主主義対専制主義のたたかい』と言ったが、特定の価値観を持ち込むとロシア包囲の結集を弱めることになるので、『国連憲章守れ、侵略戦争止めよ』の一点で連帯することが大切」と述べました。
国内では、ウクライナ危機に便乗して政治家が「核共有」「9条改憲」「同盟強化」を大合唱しており、急速に「戦争する国づくり」が進んでいる。3/19毎日新聞世論調査で、「核共有」について「議論すべき」57%、「議論すべきでない」32%。この結果について、東京新聞記者の望月氏は「あっという間に世論の空気がつくられる。政治家が火付け役となり、無批判にメディアが取り上げることの影響が如実に出ている」と指摘したことを紹介。核抑止に固執する岸田政権や「敵基地攻撃能力」について解説しました。
憲法9条に「自衛隊」を書き込むとはどういうことか?国の機関として憲法に明記されているのは、国会、内閣、裁判所、会計検査院の4つのみで、それに次ぐ5つ目に自衛隊がなるのか?と提起し、「もし戦争になったら、攻め込まれたら」ではなく、戦争を起こさないための取り組みにこそ注力する必要があるが、そのための外交努力などが今国会などで評価されないことに危惧を覚えると述べました。
最後に、平和の訴えに「特効薬」はないと思う。一人一人が地道に愚直に自分の言葉で訴えてこそ、共感が生まれると強調しました。
(2022年6月12日)