5月7日、岸田政権が掲げる敵基地攻撃能力保有の主軸を担うF-35戦闘機の配備問題について日本平和委員会と関係平和委員会がオンラインでの学習交流会を開催しました。
主報告を行った、ながさき平和委員会の冨塚明さんは、F-35は専守防衛を大きく越え、日米軍事一体化を強化し、安保法制の発動で全面戦争につながる危険な戦略兵器だと批判しました。
F-35戦闘機とは
同じ原型の機体に3種類の異なる機能を持たせたステルス戦闘機で、現有の戦闘機を順次置き換える。F-35Aは通常離陸型、F-35Bは強襲揚陸艦搭載の短距離離陸・垂直着陸型。F-35Cは空母艦載型。在日米軍の戦闘機はいずれF-35に置き換わるので馬毛島基地は日米のF-35の統合訓練場となるのはまちがいない。
日本が147機を「爆買い」
政府は老朽化する航空自衛隊のF-4J戦闘機の後継として42機のF-35Aの導入を決定。また改良の困難なF-15J前期型99機の後継として63機のF-35Aと42機のF-35Bの導入を決定。ステルス戦闘機を望む以上、他の選択肢はなかった。そのため7つの飛行隊がF-35部隊となる(表に配備予測)。147機の30年間にわたる総コストは約6兆6,000億円!
まさに敵基地をたたく戦闘機
F-35戦闘機はレーダーに認識される大きさがゴルフボール程度の高いステルス性能を持ち、敵地への侵入が容易となる。F-35Aは機体内部に射程500キロのノルウェー製の地上攻撃用巡航ミサイルを搭載し、空中給油機と組み合わせれば長距離戦略爆撃機に匹敵する。いずも型護衛艦はF-35Bを搭載することで「攻撃型空母」に匹敵する能力をもつ。いずれも政府が憲法上保有が禁じられているとしてきた能力である。
一方、航続距離の長いF-15J後期型は能力向上型改修を施し、射程1,000キロの地上攻撃用長距離巡航ミサイルを搭載する計画である。
脅威を減らす努力こそ必要
軍事的脅威は「攻撃する能力」と「攻撃する意思」をかけ合わせたもの。信頼を醸成して攻撃的意思を減らし、武器を減らしてこそ信頼関係ができる。戦力と戦争の意思を封じた憲法9条を守ることが私たちの歩むべき道である。
(2022年5月8日)