ホームニュース一覧2021

長崎港で新型護衛艦もがみ進水

 3月3日、三菱長崎造船所の第2船台で新型護衛艦「FFM」の1番艦の進水式があり、「もがみ」と命名された。

 FFMは全長133メートル、重量3,900トンのコンパクトな船体で機雷除去の能力などの多様な任務に対応できるという。船体はレーダーに捉え難いステルス構造となっている。

 乗員は従来の半分程度の約90人のクルーで運用する。3隻のFFMに対して4組のクルーを配置し、交替勤務の導入で常に1組が陸上での休養となる。

 FFMは三菱重工が主事業者、三井E&Sホールディングスが下請けとなり、毎年2隻ずつ計22隻が建造される予定。一方で21年3月をめどに三井E&S造船の艦艇事業を三菱重工に譲渡する協議が行われている。

 1番艦は、三井E&S造船で同時に建造中の2番艦とともに昨年11月に進水の予定だったが大幅に遅れた。FFMには川崎重工がライセンス生産するロールス・ロイスのMT30型ガスタービンエンジンが採用された。得られるエネルギー密度が非常に高く、コンパクトな船体にはうってつけだからである。その試験運転中に、部品が脱落してエンジンが吸い込むなどして破損。製造をやり直したために調達、工程が遅れたとみられる。

 建造予算は開発費を含めて2隻で約1,055億円。就役はいずれも22年3月の予定。また隣の第1ドックではすでに3番艦の建造が進んでいる。第2船台でも引き続き4番艦の建造が始まる。

(2021年3月4日)