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米海兵隊と九州防衛局共同でやりたい放題!

日出生台演習場での砲撃演習終わる

 2月12日から20日まで、日出生台演習場で在沖海兵隊の砲撃訓練が行われました。以下、大分県平和委員会からのリポートです。

 今回の訓練では米海兵隊司令官と九州防衛局が不誠実な対応を繰り返し下記のように約束を無視してやりたい放題の訓練がなされました。大分県も抗議を繰り返しましたが効果はありませんでした。
(1) 県と関係3自治体と九州防衛局とで取り交わされた「冬期の訓練時間は午後8時までとする」との確認書を無視し9時まで行った
(2) SACO合意の年間訓練日数35日を一方的に破り訓練を続けた(2日オーバー)
(3) 小火器訓練は砲撃訓練日数に加えるとの県との合意を破ったこと等々

県が初期対応を誤る
 海兵隊は、訓練初日の昼間に1発砲撃しただけで、夜間の砲撃はないにもかかわらず訓練終了のサイレンを9時に鳴らしました。1時間もオーバーして終了したのです。
 翌日、私たちは県に終了時間を守らせるよう申し入れをしましたが、危機管理室長は、九州防衛局と同じ「砲撃をしていないので問題ない」旨の回答をしました。訓練終了のサイレンが鳴るまでは訓練をしているのは明らかなのに問題なしとの判断をしたことが8時以降の砲撃を許すきっかけをつくりました。
 おそらく海兵隊と九州防衛局は県から抗議があるものと思っていたが抗議がないので安心して予定どおり8時以降の砲撃訓練を行い、訓練は8日間との広報を破り「小火器訓練は砲撃訓練日数には入らない」との理由をつけて9日目に小火器訓練をしたものと推測されます。

白リン弾を撃ちまくる
 今回の訓練では砲門2門で榴弾砲弾を631発撃ちました。このうち夜間は182発で8時以降には69発撃ちました。こうした中で人道に反する兵器として国際的に非難されている白リン弾を102発も撃ちまくりました。そして初めて通常弾と白リン弾を同時に撃ちました。また夜間に周囲が暗くなってから白リン弾を多く撃ちました。上空で炸裂する姿を見せなくして通常弾との区別が解らないようにしたものです。全国でも102発も白リン弾を撃ったのは初めてです。日出生台演習場を白リン弾の射撃実験場にさせてはなりません。

終了時間は毎日午後9時
 訓練終了時間は確認書の午後8時を破り、初日の12日から19日までの8日間連日で9時終了でした。夜間の6時から8時まで1発も撃たず8時を過ぎてから撃った日もありました。

安倍内閣の新「防衛大綱」が関係か?
 今回の異常な訓練は、自衛隊基地の米軍との共用化を進めるようにした、新しい防衛大綱が影響しているかもしれません。日出生台演習場も米軍基地と同じように使いたいとの海兵隊の思惑が垣間見え、それに九州防衛局が協力している姿が印象的でした。安倍内閣の対米従属政治がこうしたことにも現れ、戦争法下における米国が起こす戦争への協力を含め、とんでもないことになりそうです。

砲弾数 (うち白リン弾)
午前 午後 夜間 訓練終了
12 21時05分
13 39 30
(30)
71
(30)
21時00分
14 20 23
(14)
49
(14)
21時過ぎ
15 27 26 61 21時00分
16 33
(7)
30
(16)

(3)
67
(26)
20時56分
17 77
(3)

(5)
85
(8)
20時36分
18 48
(5)
73
(7)
16
(3)
137
(15)
21時00分
19 35
(2)
41
(5)
84
(2)
160
(9)
21時00分
165
(14)
293
(31)
173
(57)
631
(102)
 

(2020年2月23日)