国際原子力機関(IAEA)などによると、19年末時点で稼働可能な原発はこの1年間に7基減って443基に。
新規運転開始は6基。内訳はロシア3基(ノボボロネジII-2号機と海上浮揚式原子力発電所)、中国2基(台山2号機と陽江6号機)、韓国1基(新古里4号機)。ロシアは世界初の海上浮揚式原子力発電所「アカデミック・ロモノソフ号」(出力3.2万kWの小型炉2基を搭載)を極東ペベクで送電開始。燃料交換なしで3年~5年間運転を継続できるというが安全性が懸念される。
閉鎖されたのは実に13基。米国が2基(ピルグリム発電所とスリー・マイル・アイランド1号機)。ロシア(ビリビノ1号機)、台湾(金山2号機)、スウェーデン(リングハルス2号機)、スイス(ミューレベルク発電所)、ドイツ(フィリップスブルク2号機)、韓国(月城1号機)が各1基。日本が玄海2号機と福島第二の4基の計5基。これで日本の原発は33基まで減少した。ドイツは原発ゼロに向けた工程表通りに廃炉を進めている。
建設開始はロシア、イラン、中国が各1基の計3基。世界では52基が建設中で、中国が10基。次いでインド7基、韓国、ロシア、UAEが各4基等々。
日本では実際に稼働が認められているのは9基(訴訟による稼働差し止め含む)で、そのうち4基が九州電力。この1年間の原発電力供給実績はなんと29%にもなり、政府の2030年目標(20~22%)を大きく凌ぐ。そのあおりで太陽光発電の抑制が61日にも及び、再生エネ発展を阻害している。
(2020年1月15日)