ホームニュース一覧2018

配備反対の一点で幅広い共同と運動を

佐賀でオスプレイ配備させない!学習交流会

 11月23日、佐賀市で「オスプレイ配備させない!学習交流会」が開かれ、約70人が参加しました。
 「オスプレイ配備反対佐賀県連絡会」の稲村蓉子共同代表は、分からないことだらけで配備が強引に進められようとしていると指摘:①なぜ専守防衛の日本にオスプレイが必要なのか、②民間の佐賀空港をなぜ軍事基地として利用するのか、③自衛隊との共用はさせないとした公害防止協定と整合性がとれるのか、④墜落事故が続くオスプレイの安全性はどうなのか、⑤高度や回数などの運用が不明、⑥米軍の利用があるのか、⑦県知事が容認と引き換えにした100億円の着陸料の根拠はなにか。そして17年度の佐賀空港の国際線乗客数が12年度に比べて約4.5倍となったことをあげ、中国の脅威をあおり立てる軍事基地ではなく、国際的な友好関係を深めて経済発展を遂げることが望ましいと述べました。

 続いて日本平和委員会理事の小泉親司さんが「佐賀空港への自衛隊オスプレイ配備とたたかいの課題」と題して講演を行いました。

1.全国の米軍/自衛隊基地はどうなっているのか
①辺野古新基地=海兵隊出撃基地の建設強行
 辺野古新基地の進捗は全体のわずか7%。安倍内閣はそれをあたかも工事がどんどん進んでいるかのように印象操作して県民を諦めさせると同時に、裁判所にもしょうがないという機運を植え付けることを狙っている。
 辺野古新基地は「つくらせない」ではなく「つくれない」ことに確信を持とう。大浦湾で軟弱地盤の存在が明確となり、工事を進めるために設計を変えなくてはならないがデニー知事は許可しない。
 辺野古新基地は普天間基地の移設・代替ではなく、最新鋭の出撃基地となる。海兵隊が海外展開する時は、強襲揚陸艦がホワイトビーチに接岸し、普天間基地のオスプレイ、嘉手納弾薬庫の弾薬、キャンプ・シュワブやキャンプ・ハンセンの海兵隊部隊を載せる。これらが辺野古だけで完結するのだ。
②「本土の沖縄化」の進展
 横田米軍基地に5機のCV-22オスプレイが配備された。首都に特殊部隊の配備など、世界のどこを見ても例はない。東京の空には「横田エリア」という米軍専用の空域が1都8県にわたって横たわっており、この空域でCV-22オスプレイが訓練をする。
 米軍と自衛隊の軍事一体化の動きは想像以上に進んでいる。先日は旧種子島空港を一時的に米軍基地にして、海兵隊と水陸機動団が上陸作戦演習を行った。米軍は各地で自衛隊に様々なノウハウを教えこみ、補完部隊化が着々と進行している。(☞次頁)

2.自衛隊オスプレイ配備のねらいと危険性
①欠陥機であることに変わりはない
 防衛省が今年7月に佐賀県に提出した文書では、オスプレイを「高度にシステム化されて、人的ミスが起こる可能性を局限化している機体」としながら、あらゆる事故は人的ミスが原因と言っている。それこそ構造的欠陥ではないか。木更津で米軍オスプレイ1号機の整備を行っている。すでに1年9か月経ったがまだ終わらない。機体がきわめて整備不良の存在であることを実証している。
②なぜ欠陥機オスプレイが日本の空を飛べる
 地位協定に基づく「航空特例法」で米軍機は日本の航空法の安全にかかる条項がすべて適用除外される。日本の屈辱的な実態を示すものだが、同じ陸自オスプレイを同じように飛ばしていいのか、重要な問題だ。
 また空中給油機の訓練ルートがある:沖縄→奄美大島→鹿児島、宮崎・大分→岩国基地→日本海→青森県三沢基地。これに沿って民間機が立ち入れない空域が設けられている。佐賀県と有明海上空ではやらないと言っているが裏を返せばそれ以外では行う危険性がある。
③軍拡政治を推進する危険
 オスプレイを購入した国は日本だけ(欠陥機だからどこの国も買わない)。これを契機にして大軍拡が始まった。米国製武器の購入はほとんどが頭金ゼロで、後年度負担にまわされる。軍拡政治では10%の消費税でも済まなくなる。安倍政権が進めているのは軍産複合体と一体化した米政府からの直輸入。そのため調達額のトップはH28年度からは米国政府となった。ヨーロッパが武器を買わなくなっている。EUが誕生して敵がいなくなったからだ。売りつけ先がないのでみんな日本へ持ってくる。イージス・アショアも元々ヨーロッパ向けだった。

3.佐賀空港への配備を止めるために
 空中給油を行う陸自オスプレイは日本防衛ではなく、米軍と一緒に海外で他国を侵攻するためのものだと確信を持って訴えよう。
 全国知事会が憲政史上はじめてオスプレイと地位協定に対して異議を申し立てた。東京都の小池都知事までがオスプレイの訓練ルートや日程の公表を求めている。
 今度のオスプレイ導入は米軍需産業の要求に日本が屈した結果だ。日本の防衛にどうしても必要だったわけではない。自衛隊の大型輸送ヘリの方が支援物資を多く積める。
 オスプレイ配備は自衛隊増強による9条改憲の布石となるもの。安倍内閣は後戻りできないような自衛隊の大増強を行いながら、一方で憲法に自衛隊を明記して事実上2項を死文化させる二面作戦で来ている。自衛隊の災害救助には感謝しながらも、戦争に動員することは許さないという世論を大いに起こしていこう。そのためにも「配備反対」の1点での幅広い共同運動の展開が大事になる。

(2018年11月24日)