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北朝鮮めぐる戦争の危機と九州の軍事化

狂気の暴走ストップ!九州を海外への出撃拠点にするな!

  4月20日、県平和委員会/ながさき平和委員会は日本平和委員会事務局長の千坂純さんを招いて学習会を開催しました。北朝鮮をめぐるトランプと安倍の暴走で、戦争法の発動とそのための基地強化がよリアルなものとなり、戦争への危機が浮き彫りとなりました。(以下、概要)

 この危機の一番の引き金は米軍のシリアへの一方的な軍事行動だ。トランプ大統領は「米国の国家安全保障の利益にかかわる問題」として攻撃した。絶対許されない。そして核兵器に次ぐ威力を持つとされる大規模爆風爆弾をアフガニスタンで使用し、北朝鮮への威嚇を表明した。原子力空母カール・ビンソンやイージス艦を派遣して具体的軍事的態勢も強めている。本当に攻撃するかもしれない状況が生まれている。

 安倍政権はこれを全面的に支持し、後押しする態度で振る舞う。「建前を述べるのは結構だが、それでは北朝鮮が動いてこなかった」と国際的ルールを建前と言い放つ危険な首相。

 しかし表明だけでなく、実際に日本の米軍基地がその攻撃の拠点になる。岩国基地には佐世保の強襲揚陸艦に搭載され短距離で離陸できるステルス戦闘機F-35Bが配備。敵地に入り込んで基地をたたく極めて侵略的な戦闘機で精密誘導爆弾でピンポイント攻撃できる。米韓合同演習で投下訓練を行い、搭載訓練を公開して脅しをかけた。横須賀配備のイージス艦、日本に寄港する原潜は巡航ミサイルをたたき込む能力を持っている。これが緊張を高めている。

 重大なのはこの米軍と自衛隊が今でも一体となって行動していること。北朝鮮の核実験直後に、B1戦略爆撃機と福岡県の築城基地のF2戦闘機が九州周辺空域で共同訓練を行った。最近も宮崎県の新田原基地のF15戦闘機が共同訓練を行った。海自護衛艦の空母打撃群を守る訓練も、北朝鮮から見れば軍事的威嚇に他ならない。

 戦争法が制定された中での行動は武力行使に突き進む危険性をはらんでいる。米軍の武器防護をはじめ、在韓邦人の保護に際して抵抗があれば武器使用ができる。米軍が北朝鮮を攻撃すれば「重要影響事態」として戦闘地域で米軍の後方支援が可能になる。さらに日本が攻撃の標的となり、「存立危機事態」で集団的自衛権行使、有事態勢発動へ―リアルに見る必要がある。

 戦争になったら破滅的な事態になることを韓国の国民と政治家は知っている。しかし、安倍首相は他人事のように発言し、逆に煽っている。

 トランプは重大な精神不安定性を抱え、人格障害や職務遂行の危険性が指摘されている。安倍首相も戦前社会を理想とする復古的極右勢力と精神的に一体性している。この2人の狂気性を侮ってはいけない。

―戦争法が制定された中で、真っ先に戦場に殴り込んでいく米海兵隊とともに海外に出動していく部隊と態勢づくりが九州を中心に進められている。

 米軍佐世保基地の強襲揚陸艦部隊は沖縄の海兵隊とオスプレイ、岩国基地のF-35B戦闘機を載せて海外に出撃する。F-35は米国の公式文書で欠陥機であることが指摘され、岩国基地のF-35Bも問題を残したまま配備された。オスプレイも事故率がこの間上昇し、欠陥がいよいよ明かとなっている。沖縄では3トンのコンクリートブロックをつり下げて訓練しているが、155㍉榴弾砲を運ぶための訓練と思われる。これらを他国に侵入させていくための空中給油機が沖縄から岩国に配備され、その訓練が鹿児島県の鹿屋基地で行われる。

 これらと一体となって海外に出撃していく自衛隊部隊が佐世保を拠点する水陸機動団。相浦に本隊、崎辺に水陸両用強襲車両の基地が置かれる。また大型岸壁がつくられ、輸送艦/護衛艦によって佐賀空港に配備されるオスプレイとともに水陸機動団が出撃していく事態となる。

 海兵隊/水陸機動団は先陣を切って攻め込み、拠点をつくる。次に送られる大部隊が熊本を中心とする陸自第8師団。これまではそこの地域にとどまって地域を守るものだったが、それが機動旅団=海外に機動的に展開する部隊に作り替えられる。

 まず出動するのは空母打撃群。戦闘機を積んで次々と集中的に敵への攻撃を繰り返す。空母打撃群だけで1国を壊滅させることができるといわれている。これらの艦載機の拠点が岩国基地であり、130機の米軍機と30機の自衛隊機が配備される。佐世保も空母の準母港になる。日常的に艦載機の夜間離発着訓練が必要で、種子島の隣の馬毛島が狙われている。敵に見つからないよう、低空飛行訓練も九州の山地で行う。艦載機を守るための日米共同訓練が築城基地、新田原基地で行われている。

 戦争ではまず空母が、それを自衛隊機が守って空爆をやる。そのあと強襲揚陸艦が海兵隊・オスプレイなどを載せて殴り込んでいく。それといっしょになって自衛隊が出動する。そういった態勢づくりが狙われている(図)。

 この危険な状況を憲法を守る運動をしている人たちにも知ってもらい、反対運動を広げていかなければいけない。そのことがよく判る「九州軍事化反対リーフ」を多いに広げていこう。

(2017年4月21日)