2月6日、九州玄海訴訟の原告が1万人を突破したことを記念した「原発なくそう!原告1万人記念フェスティバル」が、福岡市で行われ、全国各地から1300人が参加しました。玄海訴訟は12年1月に原告1704人で提訴。昨年11月の第16次追加提訴でついに1万87人に。長崎県は546人に留まっています。
原告団長の長谷川照さんが開会のあいさつで「今日を新たな出発点として新たな頂を目指し、展望を現実のものとするたたかいに挑もう」と呼びかけました。
福島県農民連会長の根元敬さんが福島生業訴訟原告団4000人を代表して連帯あいさつ。「政府の復興支援の名の下で次々と福島の切り捨てが進められている。多額の費用がかかるとして賠償を打ち切り、加害者の東電は生き残ろうとしている。これは被害者への侮蔑。私たちの合言葉は『被害者では終わらない』『次世代への責任を果たすまでたたかい続ける』。玄海訴訟原告1万人は私たちの希望であり、未来への希望。ともに頑張ろう」
城南信用金庫の前理事長の吉原毅さんが「原発ゼロで日本経済は再生する」と題して講演。原発の発電コストに放射性廃棄物処理費用が含まれていないのは国家的「粉飾決算だ」と批判しました。そして地方に自然エネルギー産業を広げて都会に送電すれば地域が活性化すると語りました。
弁護団共同代表の板井優弁護士が、これまでの成果と今後の闘いについて報告。「法廷では毎回新しく提訴した原告が、福島の被害の訴えや、廃炉を求める意見を述べた。損害賠償の裁判と差止めの裁判が固く手を握り、被害隠しを許さず、日本の財界・政界・自治体を含むすべての勢力が、脱原発を目指して一歩ずつ前進することが求められている。全ての原発の廃炉を求める幅広い国民世論を形成していく『力のある正義』を実現し、原発から自由になれる日をめざして頑張ろう」と訴えました。
集会のラストは被災地の支援や反原発の訴えを続けている中川敬さんの弾き語りアコースティックライブが行われ、会場は大いに盛り上がりました。
長崎県からは貸し切りバス、マイカーで約40名が参加。行きの車中では「さよなら原発クイズ」に頭を悩ましながらのミニ学習。また帰りの車中では「運動を広げるために情報・確信を共有することが必要と感じた」「今も収束していない現状を訴える福島の人の話には涙が出た」「たまには室内でじっくり学習する集会もいい」「不都合なことは隠される。あちこち出かけたり学習しないと本当のことがわからないと思った」「吉原さんの話は新鮮でよかったが二酸化炭素が温暖化の原因でないという主張は誤り」などの感想の他、電力自由化の学習会を開いてほしいという要望も出されました。
(2016年2月7日)