「安保戦略」「防衛大綱」を読み解く
米海兵隊基地で訓練を受ける西部普通科連隊の隊員(米海兵隊HP)
2月5日、ながさき平和委員会がピース・カフェを開きました。会員の手作りのレモンケーキを味わいながら、年末に安倍政権が策定した「国家安全保障戦略」「新防衛大綱」「防衛力整備計画」を、『平和運動』2月号掲載の内藤功弁護士の解説をもとに学習しました。大きなポイントは
●国会審議を経ていない「戦略」が全省庁、行政機関を指導する指針として機能する
●頻出する「国際協調主義に基づく積極的平和主義」とは軍事力を外交力の裏付けにするもので、憲法前文の概念の真逆
●中国の台頭を強調し、「敵」として念頭に置き、南西諸島や離島の防衛といった軍事的対抗と軍備拡大を押し出している
●自衛隊運用態勢を大改造して、即時出動できる「統合機動防衛力」を構築。そのひとつが佐世保の陸自相浦に組織される水陸両用機動団
●「愛国心」を植え付け、社会的基盤を「安全保障」に総動員する
●海賊対処のジブチ基地を海外派兵の拠点に
(参加者の感想)
- 国家安全保障戦略には「憲法」の文言は一切出てきません。策定の趣旨では「国のその他の施策の実施には、本戦略を踏まえ」となっています。安倍政権は今後、この「戦略」をベースに色々な政策や法案を出してきます。「戦略」を学ぶ意義は大きいと感じました。
- 安倍(政権)は着々と、しかも急速に「戦争ができる国造り」に露骨に奔走していますが、そのための準備の内容「本音と建前」をより深く学習し、安倍の発言や発表の意図を正確に知ることができる学習会でした。
- 「憲法」という文言がない国家安全保障戦略は、憲法だけでなくいろいろな当たり前の手続きをすっ飛ばして成立しているということが驚きであり、恐ろしい部分だと思いました。
- 日本がどこに向かおうとしているのかは明らかで、少し前よりかなり具体的です。この内容を広く知らせる努力ももちろん必要ですが、 一番大切なのは「本当の戦争」を知ってもらう、想像してもらうことだと思いました。
- 自分たちの子どもや孫が血を流す場面など誰も想像したくないはず。政治の話は難しくても、人間同士が争うことの醜さは誰でもわかるはず。そう信じて、たくさんの人と話が出来るようにしていきたいと思います。
- 国家安全保障戦略、新防衛大綱は知れば知るほど恐ろしいものだということがわかります。安倍政権のやりたい放題だということも。この戦略・大綱について、改めて沢山の人に知ってもらいたいし、危機感を持ってもらいたいと思いました。
(2014年2月6日)