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自動車専用道路に270mの目隠し

テロ対策で海自側が要請


建設中の佐世保道路の高架。3本のレール状にみえるあたりに目隠しの
「逆シェルター」がつくられる。右側が佐世保地方総監部。左側も海自施設。

 全国に例を見ない、米軍基地のゲート前にインターチェンジがつくられる、西九州自動車道路(佐世保道路)。結果的に海上自衛隊佐世保総監部横を通るため、テロ対策など保安上の理由から海自側が国交省に「目隠し」設置を要望しています。

 1月9日に開かれた佐世保市議会交通体系整備特別委員会に、「保安用防護壁」=目隠しの形状や色などの詳細が報告されました。計画によると、「防護壁」は四角いトンネル状で高さ約7メートル、長さ約270メートル、幅20〜30メートル。壁面は鋼鉄製で屋根部分だけは金網にするという、いわば「逆シェルター」という様相です。外壁は白色に塗装し、道路供用が開始される10年3月までに完成させる予定。

 橋脚の立ち並ぶ「国際通り」は歴史的なクスノキ並木の景観のすばらしいところでした。80年代の道路拡張・歩道整備のときもクスノキに影響が出ないように設計を行ないました。今回の高架橋はそのクスノキの上を覆うもの(一部は伐採)で、クスノキにも影響がでるでしょうし、景観も悪くなります。ましてや「逆シェルター」など最悪の景観です。

 「目隠し」はかつて機密保護を口実に軍施設を国民の目から隠すためにつくられました。建設中のインターチェンジは現在の佐世保みなとインターからわずか2・9キロ、本来必要のないもので、針尾米軍住宅と結ぶためにつくるようなものです。そのため市街地のど真ん中を通るルートになってしまいました。まさに軍事優先道路!

(2009年1月11日)