「ミサイル防衛」予算案1112億円

 12月24日に閣議決定された09年度政府予算案では防衛省予算の総額は4兆7028億円で、SACO関係費112億円、在日米軍再編経費のうち別枠の「地元負担軽減」分602億円、内閣官房の軍事偵察衛星関連経費642億円を含めると4兆8384億円になります。前年度当初予算比でわずか53億円減でしかありません。(いずれも歳出ベース)
 「百年に一度の経済危機」といいながら、これに全くメスを入れず、従来の約5兆円規模の軍事費を維持し続けるものになっています。

 09年度は当面の「ミサイル防衛」計画の予算上の完成年度に当たり、「ミサイル防衛」関連経費は1112億円(契約ベース)が計上されました。08年度予算に比べ20億円減ですが、宇宙基本法の成立により、「宇宙開発利用経費」にもBMD(宇宙関連)の予算が組み込まれました。予算額は前年度比55億円増の633億円です。

【ミサイル防衛関連経費】1111億9900万円

◎BMDシステム全体の運用開始を踏まえた運用基盤の充実・強化
 ・探知追尾能力等の向上
   FPS−5の整備(与座岳;4機目) 等
 ・維持・整備体制の構築
   PAC3定期修理用予備機材の取得(新規) 等
 ・システム能力の検証
   BMDシステムの総合検証の開始(新規) 等
 ・効果的な部隊展開の実現
   PAC3リモートランチ端末の取得 等
 ・部隊の練度向上
   イージスBMD操作訓練用ソフトウエアの取得(新規) 等

◎迎撃システム整備の継続
 ・BMD対応イージス艦の改修の継続
 
・PAC−3ミサイルの取得

◎研究開発の継続等
 ・イージス艦用能力向上型迎撃ミサイルの日米共同開発 等
 ・多国間BMDカンファレンス(会議)への参加 等

【宇宙開発利用の取組】632億8100万円

◎組織体制の強化(新規)
 ・防衛政策局防衛政策課の宇宙政策検討体制の充実
 ・技術研究本部先進技術推進センター宇宙技術計画室(仮称)の新設
◎総合的な調査・研究の実施(新規) 
・宇宙開発利用に関する調査研究
 ・防衛分野に適用可能な宇宙関連技術の調査
 ・衛星を活用する総合防空システムに関するシミュレーションの研究
◎各種衛星の継続的な活用
 ・通信・画像・気象衛星情報の活用

 一方、「思いやり予算」は1927億5400万円で、前年度比約7・5%減。内訳は提供施設整備費218億8400万円、労務費1453億5000万円、光熱水料249億4700万円、訓練移転費5億7200万円。(歳出ベース)

(2008年12月27日)