「まきなみ」の戦時派遣に抗議!
佐世保からインド洋へ20隻目

 11月12日、インド洋での米軍等への軍事支援活動のために海自佐世保基地から「護衛艦まきなみ」が戦時派遣されました。同じく呉基地からは「補給艦とわだ」が6回目の派遣となりました。

 前畑岸壁では佐世保原水協と平和委員会による抗議集会が開かれました。
 山下千秋さん(佐世保原水協理事長)が「国会では、海外で戦争できる国づくりのための法的整備が進められています。佐世保など実行現場のところでは、これらに先行して、『いつでもアメリカとともに世界で戦争できる準備』がすすめられているのです。この実態を草の根から広く告発して、憲法九条守る世論をひろげていく運動を強めていきましょう」と訴えました。
 また 篠崎義彦さん(佐世保平和委員会会長)は「少なくとも61年前は外国の軍艦が無法に入ってくることは考えられなかった。佐世保に生まれたものとして、戦争に加担する港ではなく、平和の港として取り戻す運動を広げていきたい」と決意を述べました。

 集会参加者は出港する「まきなみ」に対して、「まきなみは出て行くな」「憲法違反の自衛隊の海外派兵反対」「米軍・自衛隊の軍事的一体化許さんぞ」「防衛省への格上げ許さんぞ」など抗議の唱和を行ないました。

 当初2年間の時限立法だったテロ特措法は、この5年間の検証もきちんとされることなく10月27日に3度目の延長が強行され、6年目に突入ました。

 テロ特措法に基づく佐世保からの戦時派遣は延べ20隻目で、自衛艦隊に所属する佐世保配備の護衛艦すべてが派遣されたことになります。日本全体では延べ55隻(イラク特措法によるインド洋派遣を含めると57隻)、延べ人員1万人以上が戦時派遣を体験したことになります。
 陸自のイラク派兵は5500人、空自のイラク派兵は2000人で現在も継続中です。政府与党・防衛庁は米軍のテロ戦争・イラク戦争を口実に、むりやり海外での軍事支援の実績づくりをおこなったわけです。そしてこれを既成事実化し、自衛隊の海外での活動を本来任務とする「防衛省」格上げ法案の成立をもくろんでいます。

 この日の佐世保港は異常でした。海自立神桟橋には出港する「まきなみ」と寄港中の「海洋観測艦ふたみ」しか係留していませんでした。残りの多くは鹿児島西方海域で行われている空母キテイホーク攻撃群と海自艦90隻との史上最大規模の「日米合同軍事演習」に参加しているためです。

 また外国貨物船が入るために前畑岸壁のフェンスは閉じられていて、抗議集会はいつもとは違う、フェンスの張られていない一画で行わざるを得ませんでした。これも米同時多発テロを背景としてSOLAS条約(人命や船舶の安全を守るための国際的な取り決め)が改定され、港湾施設の保安措置を行うことが義務付けられたためです。日本では04年7月から、外国との貿易を行う船舶が利用する埠頭にフェンスやゲートなどを設けて立入制限区域とし、入港日には埠頭や岸壁には立ち入りができなくなりました。


出港する「まきなみ」