佐世保市が「国民保護」計画着手へ 5月19日、佐世保市国民保護協議会(委員51名、会長・光武顕佐世保市長)の初会合が開かれ、米軍基地や離島、観光地を抱えるという特有の課題を踏まえた「国民保護」計画の策定に着手することになりました。 「国民保護」法はアメリカの無法な戦争の際には、国民強制を円滑に運ぶために住民を隔離して米軍・自衛隊の自由を確保し、日常的には「思想動員」をふくめて「戦時体制」を構築するためのものです。「国民保護」とは名ばかりで「地方自治」と相いれない矛盾が吹き出すことは必至です。 総務省消防庁国民保護課の西野聡課長補佐が「武力攻撃やテロから住民を守るために」と題して講演しました。西野氏はこの中で、「米軍の行動と住民の避難が競合する場合、具体的には、道路や港湾、飛行場におけるニーズが競合する場合に、市町村長は、国の対策本部長(内閣総理大臣)による利用指針の策定に係る調整が開始されるよう、県を通じて、国の対策本部に現場の状況等を連絡したり、必要な調整の実施を要請する方向で検討中」など国の方針を説明しました。また在日米軍軍人・軍属の家族及び日本人従業員に対する国民保護措置や緊急時における米軍施設・区域内への限定的・人道的立入り、などについては日米間で協議しているといいます。 協議会の議事では、佐世保市が行なってきた「条例」の整備や、国民保護法関係のホームページの開設、「広報させぼ」で国民保護法の概要を紹介(全世帯配布)、長崎県国民保護図上訓練への参加などの取り組みと、次のような今後のスケジュール等について説明がありました。
また状況によって会議を非公開とできることなどを定める「佐世保市国民保護協議会運営要領」が了承され、当日から施行されました。 光武市長は、「佐世保市は自然災害に備えた訓練や原子力防災訓練などを実施しており、これらと国民保護計画の訓練とをどう調整していくのか頭を悩ませている」と話しています(西日本新聞)。しかしそもそも住民の安全と相いれない「国民保護」法。保護計画を策定しなければ悩む必要もない。
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