熊本で日米指揮所演習行われる
自治体担当者も研修会に初参加

 1月28日から2月3日まで陸上自衛隊と米陸軍、海兵隊による日米共同方面隊指揮所演習「ヤマサクラ49」が、熊本市の陸自健軍駐屯地で行われています。この中で、陸自西部方面隊は1月30日に九州・沖縄各県の危機管理担当者を招いて国民保護体制についての研修会を開き、演習内容も一部公開しました。

 米国側は、第1軍団(ワシントン州)や沖縄に駐留する海兵隊第3師団から計約1300人が参加。日本側は陸自西部方面総監部、第4師団、第8師団など約4400人で、一般予備自衛官38人も初参加しました。
 ヤマサクラは自衛隊と米軍の指揮作戦能力向上が目的でコンピューターや地図を使って日米共同の作戦立案や命令決定をシミュレーションするもので、非公開で行われます。「総合訓練」には、南西諸島有事などを念頭に、武力侵攻された離島を日米連携で奪回する想定などが初めて盛り込まれました。事実上、中国を脅威と見なしていることは明らかです。また、3月末には陸海空自衛隊の統合運用が始まるため、統一指揮下での3自衛隊の部隊運用も初めて取り組まれました。

 危機管理担当者の研修会には日程があわなかった福岡県をのぞく21人が参加しました。長崎県からは上川秀男総務部理事(危機管理・防災・基地担当)と坂本剛係長(危機管理・消防防災課 企画・渉外版)の2名が参加。西部方面隊の担当者が有事に自衛隊が担う国民保護措置について、(1)住民の避難誘導(2)人命救助(3)武力攻撃への対処(4)応急の復旧の四つが柱などと説明。その後、駐屯地内をマイクロバスで回り、共同作戦や命令をコンピューター入力する模擬戦場の部屋や宿営地などを見学しました。