「国民保護」計画もにらむ合同訓練
佐世保市で日米消防両局の化学災害訓練


合同訓練の模様(米海軍ホームページから)

 5月31日、米海軍佐世保基地の消防局と佐世保市の消防局とがニミッツパーク内で合同の化学災害訓練を行ないました。被害が基地内外の広域にわたるなどした場合、両者は「消防相互援助協定」に基づいて協力して対応することになっています。日米で15台の車両と約130人が参加しました。

 事故を起こしたタンクロータリー車からアンモニアが漏れ、救助に来た住民が倒れるという想定で、訓練の概要は次のようなものでした。

 派遣要請を受けた市消防局の車両が基地に向かい、除染所を開設する。基地の消防士は被害者を救出するために化学防護服を身につけて、汚染地区に入る。両方の消防士は汚染地域から被害者をいったん安全に連れ出して除染所を通す。重傷を負ったとされた被害者は、トリアージ(負傷の程度に応じて治療優先順位を決めること)領域で佐世保診療所のスタッフによって治療が施され、救急車で搬送。

 06年度に各市町村は「国民保護」計画をまとめることになっています。閣議決定された「指針」は「常備消防体制との連携を図りつつ当直等の強化」を義務づけました。市消防局の福田憲一・副主幹は「国民保護計画に対応するための総務省・消防庁のマニュアルを検証する意味もあった」と話しています(長崎新聞)。