有事関連法成立強行に
断固抗議する!

 6月14日の午後、参議院本会議で日本国憲法をふみにじる「有事関連法案」が政府与党と民主党の賛成で可決、成立させられました。この暴挙に対して午後6時半から長崎駅前高架広場で緊急の市民集会が開かれました。「戦争法に反対する市民の会」「有事法制に反対する長崎県連絡会」「長崎県平和運動センター」「長崎地区労」の4者の呼びかけによるものです。

 「戦争法に反対する市民の会」代表の舟越耿一さんは、「これから憲法9条にしたがうのか、有事法制にしたがうのかが問われてくる。有事法制は明らかな憲法違反だ。思想、良心に基づいて拒否していこう」と呼びかけました。平和運動センターの中崎幸夫さんは「アメリカがいつでも戦争を起こせるための体制ができあがることになる。これから影響が出てくるだろう。戦後の原点に立ち戻って不戦を再確認したい」と述べました。

 「有事法制に反対する長崎県連絡会」の大塚孝裕さんは「この2年間、有事法制、イラク戦争、自衛隊派兵といった策動が繰り返された。これほど平和の問題を考えたことはなかったのではないか。共同の運動がここまで広がったのは大きな希望ではないか。来るべき参議院選挙では護憲政党の当選に奮闘しよう」と決意を述べました。
 最後に全員で「米軍協力反対!」「憲法9条を守れ!」をシュプレヒコールをあげ、今後4者で運動を進めていくことを確認して集会を終わりました。


有事関連法成立強行の
暴挙に抗議する声明

2004年6月14日 ながさき平和委員会

 本日、政府・与党と民主党は参議院本会議で有事関連法案の採決を強行し、成立させた。これら法案は、アメリカが海外で引き起こす戦争に自衛隊はもとより国、自治体、民間企業、国民を総動員するものであり、日本国憲法の精神を真っ向からじゅうりんするものである。この暴挙に私たちは満身の怒りをこめて抗議する。

 有事関連法案は、昨年成立を強行させた有事3法を具体化し、有事法制体系を完結させるものである。そして本来それぞれ対処法の異なる3つの事態−−人間の手で防ぐことの困難な自然災害と、人間の手で引き起こされる戦争と、犯罪であるテロ−−を一緒くたにし、より発動をしやすくするとともに、真の狙いを見えにくくさせたものであった。

「米軍行動円滑化法」では弾薬まで提供できることになり、集団的自衛権の行使に該当する。またACSA(日米物品役務相互提供協定)の「改正」で、米軍と自衛隊が海外でのあらゆる事態に共同対処する仕組みがつくられる。
 現時点で外国からの日本への侵略が全く想定できないことは防衛庁も認めるところである。したがって「住民避難」が必要になるような事態は想定できないし、仮に「避難」が必要となっても、米軍・自衛隊優先の体制の中で「避難」は不可能であり、「国民保護」は机上の空論にすぎない。ねらいは日常から米軍支援の戦争モードを社会の中につくりあげることにあると言わざるをえない。
 また「捕虜等取り扱い法」は戦争をしないかぎり必要としないないわけで、憲法で禁じられている交戦権を前提にしたものである。小泉内閣は国会会期終了後の閣議で自衛隊の「多国籍軍」への参加を決めようとしているが、これら法案がまさに戦争をするための「備え」であることを示している。

 このように1つ1つの法案が日本国憲法に抵触し、かつてないほど多大な危険性をはらむ案件であった。これを一括して審議させ、公聴会も開くことなく、短期間で成立を強行させたのである。それは法案の危険性が白日の下にさらされることを恐れ、さらに会期内成立で参議院選挙の争点にさせないと目論む政治的判断にほかならない。

 たとえ国会議員の多数が賛成しようとも憲法違反の悪法は真実と道理の前には少数派である。われわれは有事法制の危険性を広く国民の中に浸透させ、その発動を許さない運動と平和憲法を守りぬくたたかいを草の根から燃え上がらせ、「戦争をする国」への道をきっぱりと断ち切りるために全力を尽くす決意である。