「輸送艇1号」が長崎寄港
「港湾調査」「陸自支援」が目的

 長崎港の公共埠頭への自衛艦の寄港は昨年7月以来ありませんでしたが、このところ佐世保配備の小型艦船の寄港が目立っています。

 県港湾課のまとめによるとこの1ヶ月半の間に延べ4隻の自衛艦が寄港しています。「港湾調査」に「輸送艇1号」(4月12日;元船)。また「長崎市総合防災訓練」に「敷設船1号」(5月23日〜24日;常盤)。さらに「陸上自衛隊支援」を目的に「輸送艇1号」(5月31日〜6月4日;元船)と「水中処分母船5号」(5月31日〜6月1日;松が枝)となっています。

 「港湾調査」や「陸上自衛隊支援」目的の寄港というのはこれまでなかったことです。所管の県港湾課は「入港許可申請の目的の欄に、そう書いてあるだけで、それ以上の詳しい内容は県としては承知していない」(中田晋介県議への回答)といいます。このような動きについては注意をしていく必要があります。

 「輸送艇1号」は佐世保地方隊直轄艦で97年以来の寄港です。建造所はSSK(佐世保重工業)。主に基地間、離島間に対する人員・物資の輸送のために建造されたもので、20ミリ多銃身機関砲を備えています。

 「敷設船1号」と「水中処分母船5号」は支援船で佐世保地方隊の佐世保警備隊に所属。佐世保地方隊のホームページでは「長崎市総合防災訓練」の様子が掲載されていました。それによると「敷設船1号」は「油タンク火災により、タンク内の油の一部が海に流出したとういう想定で長崎市から要請を受け石油タンク沖合の海上の警戒を行うと同時に油の流出拡大を防除するため、自船に搭載していたオイルフェンス120mを展張し油の拡大を防いだ」となっています。

 海上自衛隊の5つの地方隊(大湊、横須賀、舞鶴、呉、佐世保)には各警備隊の下に水中処分隊が配備されています。沖縄基地隊は佐世保地方隊の隷下にあり、ここにも水中処分隊があります。各処分隊にはそれぞれ1隻の水中処分母船が配備されています(計6隻)。水中処分母船は水中の爆発物処理などの潜水作業を行い艦船です。これまでは掃海艇を改造した艦艇を母船としていましたが、水中探索用のテレビロボット、水中処分隊員が海中に下りるリフトなどより専門的な機能を持つ艦艇として新造されたのが「水中処分母船」なのです。

 このような「水中処分母船」がなぜ「陸上自衛隊支援」なのか不明です。