佐世保基地への立入が実現

 3月9日午後5時半からの2人の佐世保市議の米海軍佐世保基地・赤崎貯油所内への立入が実現しました。現地での立入調査は実質20分、案内は警備隊の副隊長で、5人の海兵隊員が付いたそうです。
 基地内に立ち入った山下千秋市議は次のように語っています。
「上層部からの命令に合致する範囲しか見せない。土砂のことをたずねても、自分たちの仕事ではないので分からない、としか言わない。福岡防衛施設局にも正すべきだ。
 赤崎貯油所内部は広かった。タンクや送油管を見てその巨大さを実感した。土砂も大量で、そこに山があるという感じだった。重油汚染疑惑の土砂は5,6年前のもので底辺にあるようだ。その上には別の工事現場からの土砂を盛ってきているので全体としてはサラサラだった。
 96年合意にもとづいてわれわれは立ち入ることができた。佐世保市にも立ち入って「土砂サンプル」採取して調査をするよう申し入れしたい」


佐世保基地立ち入り調査についてのコメント

2004年3月9日
佐世保市議 橋本純子
佐世保市議 山下千秋

  1. 私たちは、基地内汚染土壌疑惑を解明し、「環境保全」、「安心」を確保するのが自治体の第一義的課題であり、その責務を果たすように自治体に要求してきました。佐世保市はこの要求に対し、無視はしませんでしたが、きわめて不十分な態度に終始しています。
     昨日(3月8日)時点でも、汚染土壌疑惑解明にはいたりませんでした。今後この土壌が運搬され、ジュリエットベースン埋め立てに使用される予定になっており、それ以前に私たちは、なんとしても真相を明らかにさせたいと願っています。
     そのためのひとつとして、今回私たちは、環境調査のために基地内立ち入りを求めてきました。許可する、取り消し、などの経過はありましたが、今日、基地内への立ち入りを実行することができました。
  2. これは、それなりに大きな意義をもつものだと思います。第一に、環境調査という目的でも、96年日米合同委員会合意にそって立ち入ることができたことです。第二に、私たちには現状を見て汚染の有無、被害の程度などをつかむ調査能力の持ち合わせはないけれども、その能力と責務を持つ自治体でも、その意思さえあれば、たちいることが可能であることを、実際に示すことができました。さっそく昨日の市長発言のように「今後立ち入る可能性」の見解を引き出すことができたのも、私たちの行動が少なからず影響を与えていると思われます。
  3. 課題も残りました。「報道の同行もだめ」「写真撮影もだめ」「土壌サンプル持ち帰りもだめ」という条件がついたことです。
     さらに96年合意にない、「形式的に外務省へ申請書を出せ」と言う条件がついたことです。私たちは、この条件が今後ほかの基地にも波及し、なし崩し的に「96年合意」の内容を後退させようとすることに強い警戒感を持っています。
  4. したがって、今回、米軍基地の要請に従い、「基地に立ち入った」という実績をつくることを優先させましたが、今回の米軍の不当性はあくまでも追及していく決意です。
     同時に、自治体に対しては、自治体自身、ないし国自身が、土壌分析行なって「有害物質の存在状況」を行い、誰もが納得・安心できる状況をつくりあげていくように求めつづけていく決意です。