佐世保平和委員会など佐世保市に申し入れ
弾薬輸送の実態を明らかにせよ
日米地位協定見直しを求めよ

 1月22日、佐世保市平和委員会などは佐世保市に対して、日出生台での米海兵隊実弾砲撃演習の「弾薬輸送の実態を明らかにすること」、米兵凶悪事件を根絶するためにも「日米地位協定の見直しを政府に求めること」を申し入れました。

 1月26日から始まる日出生台での米海兵隊実弾砲撃演習は今回で5回目となりますが、これまで前畑弾薬庫や針尾弾薬庫から民間業者の手で弾薬が運ばれています。大量の弾薬を搭載したトラックはその日時・ルートは明らかにされぬまま一般公道を走行おり、その安全性の確保が大きな問題となっています。

 1月17日、またもや米強襲揚陸艦エセックスの乗組員による暴行事件が起こされました。日米地位協定では日本側は起訴前に容疑者を拘禁できないことになっています。凶悪犯については一定の「運用の改善」がなされるといいますが、実効性はきわめて薄いのが現状です。地位協定の抜本見直しは米軍基地を抱える住民にとって切実な問題となっています。折しも「琉球新報」が外務省の機密文書「地位協定の考え方」を暴露し、連載を始めました。その文書では容疑者の拘禁問題も「米国との政治的妥協で、説得力はない」と白状しているのです。


佐世保市長 光武 顕 様

米軍弾薬陸上輸送についての申し入れ

2004年1月22日  
原水爆禁止佐世保協議会理事長 山下千秋
佐世保市平和委員会会長    町田 勇
日本共産党北部地区委員会   中尾武憲

 米軍による弾薬陸上輸送がおこなわれること自体が、許しがたいことだと私たちは思います。ましてや、今回の弾薬輸送が無法なイラク軍事占領支配のために派兵される沖縄海兵隊の実弾砲撃演習のためであるということを考え合わせると、絶対に容認できないものです。
 一般公道を使って、一般車両が行きかうなかで、行われるというのであれば、その安全性はどのように確保されているのか、市民生活の安全に第一義的に責任を負う自治体の態度は、どうなっているのか明らかにしていただきたいと思います。
 2002年1月25日の申し入れ時に指摘した問題でもあるのですが、2001年10月9日、10月22日、12月20日に、民間トラックが前畑弾薬庫に搬入された事実があるということを「写真などの証拠」をつけて、真相解明を迫りました。しかし「そういう事実は知らない。防衛庁も承知していないといっている」という回答でした。さらに「関係機関に問い合わせする」ということも約束されました。どうだったのでしょうか。
 今回の弾薬陸上輸送について、承知している情報はすべて市民に公表すべきではないでしょうか。
 以下、具体的に要望します。

要望事項

  1. 今回の弾薬陸上輸送の実態を市民に明らかにせよ。
  2. 自治体は承知していない中で、弾薬陸上輸送は行われているのか。
  3. 弾薬陸上輸送は特別に危険の伴う作業だと思うが、その安全性はどのように確保されているのか。
  4. 関係自治体は承知していなくてもよいという立場に立っておられるのかどうか。

佐世保市長 光武 顕 様

またしても起こった米軍兵士による凶悪事件についての申し入れ

2004年1月22日  
原水爆禁止佐世保協議会 理事長 山下 千秋
佐世保市平和委員会会長 会長  町田 勇 
日本共産党北部地区委員会委員長 中尾 武憲

 1月17日、長崎県佐世保市相浦警察署は、米海軍佐世保基地所属のマーキーズ・スチィーブン・ベイツ3等兵曹(24歳)を婦女暴行容疑で逮捕したと発表しました。米兵は、17日午前零時ごろ、仕事帰りの飲食店アルバイト店員A子さん(19歳)を、呼びとめ自分の車に押し込み、暴行を加えたものです。被害者から救助を求められた一般市民からの110番通報により、事件を認知し捜査した結果、米兵の反抗と判明したため逮捕したと、同警察署は公表しています。
 またしても米兵による凶悪な犯罪によって、佐世保市民が犠牲になりました。犯罪が起こるたびに米軍は綱紀粛正をおこなってきたと言ってきましたが、その実効は上がっていません。私たちは米兵犯罪に対し、強く抗議するものです。佐世保市として、市民の生命、安全を守る立場から、米軍基地に対し再発防止のために毅然とした態度を取られるよう申し入れを行うものです。2001年に発生した事件の米兵は、佐世保警察署が全国指名手配したにもかかわらず、米軍基地に逃げ込み、さらにアメリカ本国に帰り、現在も事件としては未解決のままになっています。凶悪犯罪を犯しても刑事的処罰を加えることができない現状を考えるとき、またこのような事件が繰り返されるという現実を直視したときに、市民の安全を守るためには、米軍基地に対する抗議にとどまらず、米兵に対する治外法権的特権を規定している地位協定第17条のみなおしを本気で日本政府に迫るということが必要ではないでしょうか。以下具体的に次のことを求めるものです。

要請事項

  1. 米軍は被害者に対し、誠意ある謝罪をおこない、十分な損害賠償を行うよう、佐世保市長は米軍に強く求めること。
  2. 事件に対し強く抗議し、再発防止のために実効ある措置を米軍にとるよう要請すること。
  3. 2001年事件の真相解明を政府外務省に求めること。
  4. 地位協定は、「運用改善」にとどめず、協定そのものを見直すように真剣に政府に求めること。