自衛隊派兵前提の「慎重」意見書
長崎県議会も可決

 12月19日、長崎県議会も自衛隊派兵前提の「自衛隊のイラク派遣に関する意見書」を賛成多数で採択しました。長崎市議会に続く大きな汚点です。しかも自民党提案に公明・民主・社民会派が賛同して共同提案(日本共産党以外)・可決という異常な事態です。
 また18日には多数の陸上自衛隊員を抱える大村市議会で同様の意見書が賛成多数で可決されました。自衛隊のイラク派遣中止を求める意見書2件は、イラク特措法のもとでの自衛隊派遣は法に抵触しないとの理由で否決されました。


自衛隊のイラク派遣に関する意見書

 3月20日に始まった米英軍によるイラク攻撃によって、イラクのフセイン政権は崩壊に追い込まれた。
 4月9日に首都バクダッドが陥落、同月14日にはイラク軍の最後の拠点であったティクリットが制圧され、5月1日にはブッシュ米大統領が戦闘終結宣言をした。
 しかし、その後も治安はいっこうに改善せず、イラク国民の反米感情は高まっており、いまだに米英軍等に対するゲリラ攻撃が続き、11月29日には2人の日本時外交官が殺害されるなど、実質的な戦争状態が続いている。
 また、12月14日にはフセイン元大統領が拘束されたとはいえ、イラク国内の緊迫した状況に変わりない。
 日本政府は、国際社会における我が国の責務に鑑み、イラクに対する人道・復興支援のためとして「イラク人道支援特別措置法」を制定し、12月9日にはそれに基づいて自衛隊を派遣する基本計画を制定した。
 基本計画を踏まえ、今後、自衛隊をイラクに派遣しようとしているが、これは、従来の国連平和維持活動(PKO)や災害援助活動の枠組みとは異なるものである。
 よって、自衛隊を派遣するにあたっては現地情勢を十分把握のうえ、その時期などについて、慎重に判断し、万全を期されるよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99状の規定により意見書を提出する。

 平成15年12月19日

長崎県議会