初の遠征攻撃群が配備される
中核はペリリュー揚陸艦部隊

 8月5日の毎日新聞を皮切りに「遠征攻撃群(Expeditionary Strike Group (ESG))」に関する報道が増えています。当面は「太平洋艦隊で2個の強襲揚陸部隊を遠征攻撃群に改編する」ということですが、その最初のESGがサンディエゴに配備となったことが米第7艦隊ニュースに掲載されました。

 8月22日、サンディエゴの米海軍基地から第1遠征攻撃群(ESG-1)が初めての航海に出港した。艦隊は第13海兵遠征部隊(13MEU)を搭載したペリリュー強襲揚陸部隊の3隻であるPeleliu (LHA 5), Germantown (LSD 42), Ogden (LPD 5)とフリゲート艦Jarrett (FFG 33) とイージス・ミサイル駆逐艦Decatur (DDG 73)の計5隻。
 遠征攻撃群の中核になるのは海兵遠征部隊と強襲揚陸部隊で、これに駆逐艦、フリゲート艦、巡洋艦と攻撃型原潜が加わり、空母機動部隊と類似の体系を有する。
 今年5月、ESG-1の配備前にペリリューは遠征攻撃演習に参加している。これは非戦闘脱出作戦 (NEO)で、危険な地域から民間人を救出するものだった。
 海兵隊と海軍、揚陸艦部隊と攻撃部隊の慣習の違いがあるなか、訓練の期間中ESG-1は受けた命令を迅速に下部に下ろす能力を評価される。
 ハワイのパールハーバーで、ここを母港とするミサイル巡洋艦Port Royal (CG 73)と攻撃型原潜 Greeneville (SSN 772)と合流して訓練を続ける。帰還は04年4月の予定。

 佐世保に配備される遠征攻撃群はエセックス強襲揚陸部隊と横須賀配備の攻撃艦、グアムを母港とする攻撃型原潜となることは間違いないでしょう。当面は新たな艦船の配備はないというものの、長さ500メートルの新岸壁の建設計画はまもなく着工へ踏み出そうとしています。
 エセックス自体も1520万ドル(約18億円)をかけて改修工事が行われました。米海軍のホームページによれば、飛行甲板全体には新たな滑り止めが施され、格納甲板と航空機エレベータの設置、メインボイラーと燃料タンクの分解修理、通信の向上と迅速さをはかるためにデジタル・パッチ・パネルの導入も行われています。その一方で大幅な居住適性の向上もはかられています。
 滑り止め飛行甲板の設置でエセックスは「飛行甲板認証」を獲得しました。あわせて飛行甲板などでの消火技術によって「飛行準備認証」も得ています。ホームページではこれが遠征攻撃群への移行に重要なことだと述べ、「Essex (LHD 2) is fit to fly and fit to fight」と表現されていました。
 現在エセックスは試験航海中で、その後、遠征攻撃群へ移行するものと思われます。