このはなさくや図鑑 〜美しい日本の桜〜

桜の名前から ↑

種名または品種、栽培品種名
Cerasus ‘Tsurugioritokiku-zakura’
ツルギオリトキクザクラ
剱折戸菊桜

満開時、ほぼ球形になる。花弁の先端は細かい切れこみがある。
花床筒は漏斗形
萼片は長卵状三角形
原木は上市折戸の山中にあったが、倒木し現在はその姿は無い。

<花の色>
 淡紅色「9501」
<花弁の枚数>
 200枚〜250枚
<花の形>
 菊咲き(二段咲き) 中輪
<花の時期>表記のない場合は近畿基準
 4月下旬〜5月上旬 富山県基準
<特徴・来歴>
 現地の桜に詳しい、武田宏氏によって見出された菊咲きの桜です。品種名は現地に近い、「剱岳」に因んで命名されました。現地ではボタンザクラとして親しまれていました。本品種を保護するために周辺樹木を取り除いたところ、大風により倒木し、現在は原木はありません。
 段咲きと段咲きとならない花が入り混じっています。また、副萼片の多くは弁化しています。
 なお、キクザクラなど多弁の桜は、夏の時期などの気候により、花の形態形成に影響されると言われており、そう言ったことからも植栽環境によって大きく花の形態が変わる可能性を示唆しています。
 一定の同一環境下で他の菊咲きとの桜の相違を経過観測すべき品種と考えます。近年、富山県において報告されている他の菊桜も同様です。


<成立に関係しているサクラ(種)>
C.jamasakura
C.sargentii
C.leveilleana
C.speciosa
C.itosakura
C.incisa
C.apetala
C.companulata
C.maximowiczii
C.pseudocerasus
C.avium
不明


文・撮影:藤原 このはなさくや図鑑〜美しい日本の桜〜第3集-P7

このページへの直接のリンクを禁止します。